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僕が子どもの頃から、テレビのど真ん中で輝いていた大スターですし、出演したドラマも何本も見て育ってきました。でも、知った気でいた自分が浅はかだったと思えるぐらい、とっても奥行きがあって。だからといって、そこに計算があるとも思えない天性のものも感じて…。年齢を重ねてもそんなふうに輝き続ける草なぎさんが本当にすてきで、とても勉強になりましたし、まだまだ人は輝けるんだって勇気づけられました。こんなふうにお芝居ができるんだったら、僕も年を重ねても、とにかく芝居を続けたいと思いました。
アメリカにいたのは3週間ぐらいで、スタッフもキャストも、基本的にキッチン付きのホテルで自炊生活だったんです。でも、僕は自炊が得意ではないので、「何かチンして食べようかな?」と思っていると、「コンコン!」と誰かがドアをノックする。開けてみると、スープを持った草なぎさんが立っていて、「太賀くん、これ作ったから食べなよ」って。草なぎさん、料理がとてもお上手で、自分で作った料理をおすそ分けしてくれるんです。それが一度や二度じゃなくて、何度も。「こんなに優しい人、いるの?」って、本当に感激しました。
誰に対しても分け隔てなく優しいので、大スターであることを忘れて、撮影がないときは一緒に遊んだりして、“近所のお兄ちゃん”みたいな感じでお付き合いさせていただきました。ただ、現場に入ると草なぎさんはガラッと変わって、集中力がものすごいんです。だから、僕も本当にいろんな影響を受けましたし、草なぎさんの演技に感動しっ放しで、お芝居を忘れて、素に戻ってしまいそうになることもありました。
後半はムードがガラッと変わります。それに合わせて、僕のお芝居も変わってくると思います。一部、センシティブな話もあるので、それまでの“松戸諭らしさ”は保ちつつ、前半とは違った心が動いてくるというか、違う場所がうずくような感じを意識しました。
僕も家族構成が松戸諭に似ているので、自分の家族を投影しながら演じさせていただきました。その中で改めて感じたのは、たとえ一家だんらんが少なく、関係がぎこちなくても、家族は常に心の片隅にいるものなんだな、ということです。そういう“家族の大切さ”を改めて感じさせてくれた時間でした。
(取材・文・写真/井上健一)
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