エンターテインメント・ウェブマガジン
玉山 めちゃくちゃあります。20代の後半は、この仕事を辞めようかと本気で思ったこともありましたし。今回僕は、立花を演じて自分と重なる部分がすごく多かったんです。例えば、ホテルの部屋で自分が出演した昔の番組を見るシーンがあるんですけど、僕も自分の若いときの作品を見て物思いにふけったり、そこで「どっちが本当の自分なんだ?」と思ったりすることもありますし…。今の方が、テクニック的にも知識的にも、ずっと成長しているはずなのに、過去の自分がすごく大きく見えたりして。
深川 私も、このお仕事を始めてから、毎回のように挫折しているかもしれません(笑)。新しい現場に行くたびにすごい人たちと出会うから、どんどん自分が平凡な人間にしか思えなくなって。粗探しをしてしまうので、放送とかを見るのも、ちょっと苦手で(笑)。
玉山 多かれ少なかれ、なんかあるよね。
深川 そうですね。だから、そういう見方はやめようと思って。自分は自分だし、それで頑張っていくしかないなって。でも、寛子を見ていると、感じる部分はたくさんあります。
玉山 そう思います。
深川 自分が抱えている悩みって、深ければ深いほど、なかなか人には言えないと思うんです。そういう思いを抱えている方が、この映画を見てくださったとき、ちょっと考え方やものの見方を変えるスイッチになって、「今はちょっと、ついてないだけ」という言葉に救われる方がいたらいいですよね。
玉山 理想が高ければ高いほど、「自分はこうでなければいけない」とか「こういうときにはこう対処しなきゃいけない」みたいなことを考えがちですけど、そういうときに限って、少し脱線しただけで一気に崩れてしまうことってありますよね。だから、このタイトルのように「今はちょっと、ついてないだけ」と、自分に余白を与えるというか、自分に対して言い訳を作ってあげることは、僕はすごく大事だと思うし、それによって救われる人もいるんじゃないかと思います。
(取材・文・写真/井上健一)
ドラマ2025年7月5日
-そのほか、撮影を通じて特に印象に残ったことがあれば教えてください。 安田 撮影が終盤に差し掛かった頃、原作者のキム・スジンさんにお目にかかる機会があったんです。キム・スジンさんは、それぞれのキャラクターに、ものすごく細かいバックボーンを作 … 続きを読む
ドラマ2025年7月5日
-松本さんとは初共演ですね。現場での印象は? 「はい、行くよ!」って声をかけて引っ張っていってくださる兄貴肌です。スタッフの皆さんとも積極的にコミュニケーションを取っていらっしゃる姿も見ますし、松本さんの存在で撮影現場全体が活気づいている … 続きを読む
映画2025年7月4日
-陽彩はいわゆる“毒親”の母と2人で暮らすうち、自分の人生に期待を持てなくなってしまった人物です。そういう役と向き合うお気持ちはいかがでしたか。 南 陽彩にとって、親や家族は、居場所であると同時に、自分を縛る呪いのようなものでもあったと思う … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年7月4日
2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。 物語の舞台は歌舞 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年7月3日
▽長い時を刻む、大衆文化とは異なる魅力 -Kカルチャーが世界で注目される今、今回のような舞台表現はKカルチャーの中にどう位置づけられると思いますか? K-POPや映画などの大衆文化も素晴らしいですが、伝統芸術はそれよりもはるか以前から続い … 続きを読む