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玉山 めちゃくちゃあります。20代の後半は、この仕事を辞めようかと本気で思ったこともありましたし。今回僕は、立花を演じて自分と重なる部分がすごく多かったんです。例えば、ホテルの部屋で自分が出演した昔の番組を見るシーンがあるんですけど、僕も自分の若いときの作品を見て物思いにふけったり、そこで「どっちが本当の自分なんだ?」と思ったりすることもありますし…。今の方が、テクニック的にも知識的にも、ずっと成長しているはずなのに、過去の自分がすごく大きく見えたりして。
深川 私も、このお仕事を始めてから、毎回のように挫折しているかもしれません(笑)。新しい現場に行くたびにすごい人たちと出会うから、どんどん自分が平凡な人間にしか思えなくなって。粗探しをしてしまうので、放送とかを見るのも、ちょっと苦手で(笑)。
玉山 多かれ少なかれ、なんかあるよね。
深川 そうですね。だから、そういう見方はやめようと思って。自分は自分だし、それで頑張っていくしかないなって。でも、寛子を見ていると、感じる部分はたくさんあります。
玉山 そう思います。
深川 自分が抱えている悩みって、深ければ深いほど、なかなか人には言えないと思うんです。そういう思いを抱えている方が、この映画を見てくださったとき、ちょっと考え方やものの見方を変えるスイッチになって、「今はちょっと、ついてないだけ」という言葉に救われる方がいたらいいですよね。
玉山 理想が高ければ高いほど、「自分はこうでなければいけない」とか「こういうときにはこう対処しなきゃいけない」みたいなことを考えがちですけど、そういうときに限って、少し脱線しただけで一気に崩れてしまうことってありますよね。だから、このタイトルのように「今はちょっと、ついてないだけ」と、自分に余白を与えるというか、自分に対して言い訳を作ってあげることは、僕はすごく大事だと思うし、それによって救われる人もいるんじゃないかと思います。
(取材・文・写真/井上健一)
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