エンターテインメント・ウェブマガジン
そうですね。視界がすっきり晴れたということは、あるんじゃないでしょうか。「映画を撮ってくれ」と言われると、どうしても責任を背負うので、多額の製作費を投下した分、少なくともその人たちに恥をかかせちゃいかんな、俳優にも恥をかかせちゃいかんな、という責任感が出てきます。それが、監督としての純粋性を曇らせるんです。でも今回は、「役者とプロデューサーと監督は、同じ方向を目指す戦友だ」という純粋性がすごくありました。今までの自分の映画作りをちょっと反省しました。
より一層、旗幟(きし)鮮明になったというのはあります。まずは、同じ方向を目指す仲間が必要だなと。映画は1人では撮れませんから。だから、これからもいろんなチャンスを頂いていますが、一つでも二つでも「同じ船に乗ろうじゃないか」という気持ちで作っていかなきゃいけないなと。
それから、もともと、異業種から部外者的な気持ちで入ってきて映画を撮り始めたとき、恐る恐る作っていく中で遠慮しがちだった「社会に何をどう問うべきか」というテーマ性みたいなものを、この作品ではきれいにはめ込んでエンターテインメント化することができました。今後、オリジナルで作っていきたいと思っている作品でも、そういうことを堂々とやっていかないと、イーストウッドさんやポン・ジュノさんには近づけないな、と。1000キロぐらい先にいらっしゃって、遠過ぎる背中ですけど(笑)。
「自由をくれて、ありがとう」みたいなことかな…。この映画を撮ることで、「くびき」みたいなものから解放された感じもありましたし。そう考えると、やっぱり僕からは「感謝」、「ありがとう」しかないですね。
(取材・文・写真/井上健一)
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