エンターテインメント・ウェブマガジン
ユダヤ教では、歌や暗唱を通して誰かのことを追悼したり、記憶にとどめたりすることは伝統的に行われています。ただ、この映画に出てくる歌は原作者が生み出したものでフィクションです。なので、曲としては実在しているわけではありませんが、ユダヤ人の伝統やユダヤ教の典礼を考えると、とてもそれに沿ったものになっていると思います。
それはあなたの仕事ですよ(笑)。この映画を作ることは自分にとってはとても重要なことでしたが、見ていただく人たちにとっても同じようなことがいえると思います。追悼するということ、そして記憶にとどめるということです。第2次世界大戦のことを、私たちはすでに忘れかけていますよね。生存者の方がどんどん亡くなっていき、戦争の経験を話してくださる方も少なくなってきています。
そんな中、現代を生きる私たちは、集団的な記憶喪失になっているところがあると思います。スクリーンやスマホばかりを見ていて、現在に捉われ過ぎていて、過去の出来事を見ていません。過去を見ることができなければ、未来を見ることもできません。それは、過去の過ちが繰り返されてしまうことにもつながると思います。その過ちとは、第2次世界大戦やホロコーストであったりもするわけです。
なので、この映画を見ていただく価値は、過去に起きた出来事を改めて思い出すきっかけになることだと自負しています。深い人間的な視点から描いていると思うので、そういうふうに見ていただけたらうれしいです。
(取材・文/田中雄二)
映画2025年4月7日
-この作品は長尾さんの劇場映画初主演作ですが、その点について意識したことはありますか。 長尾 特別に意識したことはなかったです。安田顕さんを始め、キャストの皆さんは先輩方が多かったですし、スタッフの皆さんも、僕より年齢も経験も上の方ばかりで … 続きを読む
ドラマ2025年4月6日
-というと? クランクイン前、視覚障害支援センターに伺い、視覚に障害をお持ちの方に「目が見えない分、他の感覚が研ぎ澄まされていく」というお話を伺ったんです。衣擦れの音や声のトーンだけで、人の気持ちが理解できるようになるんだそうです。鳥山検 … 続きを読む
ドラマ2025年4月4日
-なるほど。 でも、同一性というのは非常に厄介で、これは本当に同じ人なのかという疑問を持つわけです。本当は同一人物じゃないけど、それをメタファーとして見せているだけなのかもしれないし、もっと高尚に考えれば、その存在自体が本当にいるのかどう … 続きを読む
映画2025年4月4日
『アンジェントルメン』(4月4日公開) 第2次世界大戦下、イギリスはナチスの猛攻により窮地に追い込まれていた。特殊作戦執行部に呼び出されたガス少佐(ヘンリー・カビル)は、ガビンズ“M”少将とその部下のイアン・フレミングから、「英国軍にもナ … 続きを読む
映画2025年4月3日
-松本動監督の演出について、また寺尾聰さんら共演者の印象をお願いします。 松本監督とは初めてでしたが、私の問い掛けにも親切に細かく答えてくれました。とにかく自由にやらせてもらいました。寺尾聰さんは、昭和49年のドラマ「天下のおやじ」で寺尾 … 続きを読む