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コロナ禍になって、カメラの前に立てる、舞台の上に立てることは、とてもありがたいことだと思い出させてもらった気がします。映像の現場でも、マスクをつけて、その上からフェースシールドをして、リハーサルをしなければならないので、面倒が増えたなとは思いましたが、それも今ではだいぶ慣れてきました。(それらが)ハードルだと思うからこそ、ない方がいいものだとか、誰かに置かれてしまったと不満を感じるのであって、今、歩いているのは、ただ起伏があって凸凹している道なんだと思えば、それほど気になることではないんですよ。「カメラの前に立たせてもらっているんだから、舞台に立たせてもらうんだから、あまりぜいたくを言うなよ」って、自分に言うようになった気がします。
「砂底にある家に住む女の下から離れられなくなった男」という、コロナ禍の今の世の中の閉塞(へいそく)感を描いた話にも感じられますが、ある意味、一つの解放を描いていると思います。閉じこもっていることをネガティブにばかり捉える必要はない。この状況をポジティブに捉えられるようになる。そんな作品でもあるのではないかと思います。お客さまに「来て良かった」と思っていただける作品になるよう頑張ります。
(取材・文・写真/嶋田真己)
ケムリ研究室no.2「砂の女」は、8月22日~9月5日に都内・シアタートラム、9月9日~10日に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演。
公式サイト https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/kemuri_no2
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