【インタビュー】舞台「ケムリ研究室no.2『砂の女』」仲村トオル コロナ禍で感じた芝居への思い「ありがたいことだと思い出させてもらった」

2021年7月19日 / 08:00

-昨年からのコロナ禍で、エンタメに対する思いに変化はありましたか。

 コロナ禍になって、カメラの前に立てる、舞台の上に立てることは、とてもありがたいことだと思い出させてもらった気がします。映像の現場でも、マスクをつけて、その上からフェースシールドをして、リハーサルをしなければならないので、面倒が増えたなとは思いましたが、それも今ではだいぶ慣れてきました。(それらが)ハードルだと思うからこそ、ない方がいいものだとか、誰かに置かれてしまったと不満を感じるのであって、今、歩いているのは、ただ起伏があって凸凹している道なんだと思えば、それほど気になることではないんですよ。「カメラの前に立たせてもらっているんだから、舞台に立たせてもらうんだから、あまりぜいたくを言うなよ」って、自分に言うようになった気がします。

-改めて、本作への意気込みを。

 「砂底にある家に住む女の下から離れられなくなった男」という、コロナ禍の今の世の中の閉塞(へいそく)感を描いた話にも感じられますが、ある意味、一つの解放を描いていると思います。閉じこもっていることをネガティブにばかり捉える必要はない。この状況をポジティブに捉えられるようになる。そんな作品でもあるのではないかと思います。お客さまに「来て良かった」と思っていただける作品になるよう頑張ります。

(取材・文・写真/嶋田真己)

ケムリ研究室no.2「砂の女」

 ケムリ研究室no.2「砂の女」は、8月22日~9月5日に都内・シアタートラム、9月9日~10日に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演。

公式サイト https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/kemuri_no2

 

 

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「今回は、極上のエンターテインメントを作ったつもりです」 『悪は存在しない』濱口竜介監督【インタビュー】

映画2024年4月19日

 長野県の自然豊かな高原を舞台に、代々つつましい生活を続けてきた住民の、レジャー施設の開発をめぐる生活の変化を描いた『悪は存在しない』が、4月26日から全国公開される。本作で第80回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門で銀獅子賞に輝いた … 続きを読む

【週末映画コラム】気持ちのいい人情喜劇『あまろっく』/山田太一の小説をイギリス人監督が映画化『異人たち』

映画2024年4月19日

『あまろっく』(4月19日公開)  理不尽なリストラに遭い尼崎の実家に戻ってきた39歳の近松優子(江口のりこ)は、定職に就くことなくニートのような毎日を送っていた。  ある日、「人生に起こることはなんでも楽しまな」が信条の能天気な父・竜太郎 … 続きを読む

小関裕太&岡宮来夢、念願のロミオ役に「プレッシャーも力に変えて頑張りたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年4月19日

 上演の度に大きな話題を呼ぶミュージカル「ロミオ&ジュリエット」の3年ぶり6度目の上演が決定。5月16日に東京・新国立劇場 中劇場で幕を開ける。  本作は、2001年にフランスで生まれ、世界20カ国以上で600万人以上を動員したメガヒットミ … 続きを読む

「自由に映像を撮れることを楽しんでいる作品だと思います」 山本奈衣瑠『走れない人の走り方』【インタビュー】

映画2024年4月18日

 映画監督の小島桐子はロードムービーを撮りたいと思っているが、限られた予算や決まらないキャストなど、数々のトラブルに見舞われる。理想と現実がずれていく中で、彼女はある選択をする。台湾出身で日本に留学し、東京藝術大学大学院映像研究科で学んだ蘇 … 続きを読む

若手注目俳優の佐藤瑠雅&坂井翔、「どこにでもいる男の子たちの何気ない生活を描いた」“じれキュン”ラブストーリー「彼のいる生活」【インタビュー】

ドラマ2024年4月18日

 「仮面ライダーギーツ」の桜井景和/仮面ライダータイクーン役で注目された佐藤瑠雅と、ドラマ「ジャンヌの裁き」に出演し高い演技力が話題となった坂井翔がW主演するドラマ「彼のいる生活」がTOKYO MX、ABEMA、各配信サイトにて現在放送・配 … 続きを読む

Willfriends

page top