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【インタビュー】映画『ブラック・ウィドウ』米倉涼子「これだけ長く続けられた作品は私にとっては宝物」

 『アイアンマン2』(10)での初登場以来、あらゆる高度なミッションを遂行してきた世界最高のエージェント、ブラック・ウィドウ=ナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)。そんな彼女が、自身の命に関する重大な決断を下したのが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)だった。孤独な暗殺者ブラック・ウィドウは、なぜアベンジャーズになったのか? 全てにつながる答えは彼女の過去に秘められていた。初登場時から謎に包まれていた彼女の過去が明かされる映画『ブラック・ウィドウ』が全国の映画館で公開され、ディズニープラス プレミアアクセスでも配信された。『アベンジャーズ』(12)から、これまで日本版声優としてブラック・ウィドウを演じてきた米倉涼子に話を聞いた。

米倉涼子

-今回は、ブラック・ウィドウの単独主演ということで、何か特別な思いなどはありますか。

 今回はブラック・ウィドウ自身のストーリーなので、彼女の思いを日本語でしっかり伝えなくては、というプレッシャーはもちろん大きかったのですが、彼女のバックストーリーが、とても心のこもったものだったので、とても心地よく演じられました。

-2012年は、『アベンジャーズ』を皮切りに、ミュージカル「シカゴ」、ドラマ「ドクターX」と、米倉さんを代表する作品に出演した年でもありました。当時を振り返りながら、長く演じ続けることへの思いを聞かせてください。

 2012年に『アベンジャーズ』の吹き替えをやらせていただいてから、それを皮切りに「シカゴ」、「ドクターX」と、全部がこれだけ長く続けられてこれる作品というのは、私にとっては大切な宝物ですし、まさに2012年はそういった意味でも当たり年でした(笑)

-明かされていない部分が多く、ミステリアスなブラック・ウィドウへのこれまでの印象から、本作を見て変わった部分などはありましたか。

 『エンドゲーム』ではああいう結末になってしまったんですけど、今回は彼女が『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』へ向かう思いというのが映画の中に出てきます。その思いが、あの2作につながっていくんだと思うとグッときました。なので、ぜひ本作を見ていただいて、さらにまた『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』を見ていただけると…。というか、見たくなると思います。個人的には、何で本作が先に公開しなかったんだろうって、思いました。

-演じる上で意識したことはありますか。

 今回は家族との楽しい掛け合いや、だんらんの場面も出てきたので、これまでに比べると、声の表現を楽しんで演じることができました。そして、今回は、半年以上かけてボイストレーニングなどにも挑んだので、音域の勉強などもできたのかなと思います。

-さらに進化した米倉さんが見られるということでしょうか。

 私の口からはそういうことは言えないですが、そうであったらいいなと思います。

-初期の吹き替えと比べて「成長した」と思う部分はありますか。

 当時はどうやって声を入れていけばいいのかが全く分からなくて、指示が飛んできても、どうすればいいのか分からない、逃げ出したいという気持ちが大きかったです。けれども、今回はとても楽しく演じることができてよかったです。

-以前、他のインタビューで「周りから、もっと自信を持てと言われることがある」とおっしゃっていましたが、米倉さんが自信を持つためにやっていることなどはありますか。

 練習を続けることと、振り返ること、納得がいくまでやり続けることです。努力に終わりはないと思っているので、ギリギリまで努力をすることが自信につながる。というよりも、後悔はしないと思います。

-これから本作を見る人たちに一言お願いします。

 今まではブラック・ウィドウという存在がミステリアスで、私の中では、必要なときにそっと出てきて誰かのそばにいるという印象を持っていましたが、なぜそのようにになったのかとか、彼女の『アベンジャーズ』への思いというのが、この映画を見ていただくと分かっていただけると思います。あとは、彼女の決めポーズの秘密も分かると思います。

(取材・文/丸山有咲)

(C)Marvel Studios 2021

 

 

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