【インタビュー】映画『花と雨』笠松将 「スターにはなれない」現実に直面して見いだした自分流の役者道

2020年1月16日 / 17:29

 男たちの熱いエネルギーがこもった本作を通して、笠松の胸に役者としての新たな目標が生まれる。それは、「自分が関わった面白い作品を、より多くの人に見てもらい、共有・共感してもらうこと」。そこで必要になるのが「知名度アップ」だ。

 直近では、新木優子主演のドラマ「モトカレマニア」、間宮祥太朗出演のドラマ「僕はどこから」、杉野遥亮と福原遥のダブル主演の映画『羊とオオカミの恋と殺人』、藤原竜也主演の映画『カイジ ファイナルゲーム』、など、数々の話題作に携わっている笠松だが、それに比例する高い知名度を得られていないことが悩みの種なのだ…。

 だからこそ、「役者だけど、バラエティー番組で芸人さんとは違う面白さを出してみたり、映画よりも気軽に見られるテレビドラマで勝負したりするのもいいと思う。とにかく、せっかくいい映画を作っても、いろんな人に見てもらえないと意味がないので、知名度を上げて、『笠松が出ているなら見たい』と思ってもらえる役者になりたい。それによって作品を盛り上げていきたい」と意欲を燃やす。

 「何者かになりたい」ともがきながら日々を生きる本作の主人公・吉田は、笠松そのものだ。しかし、明確な目標を掲げ、真摯(しんし)に仕事に向き合い、着実にキャリアを積んでいる笠松であれば、いつか「何者」どころか、あの日夢見た「スター」にだってなれるのかもしれない。

(取材・文・写真/錦怜那)

(C)2019「花と雨」製作委員会

 映画『花と雨』は1月17日からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。

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