【インタビュー】映画『マレフィセント2』上戸彩「5年前は、自分がオーロラ姫を演じる自信がありませんでした」

2019年10月21日 / 17:22

 世界的な大ヒットを記録した『マレフィセント』から5年。アンジェリーナ・ジョリー演じる邪悪な存在と恐れられながらも、愛に傷つき、愛に生きる美しきビランのマレフィセントと、エル・ファニング演じる善と優しさを体現する純粋無垢(むく)なプリンセス、オーロラ姫が、血のつながりを超えた究極の愛と、家族とは何かを問う物語『マレフィセント2』が、10月18日に公開された。前作に引き続き、オーロラ姫の声の吹き替えを担当した上戸彩に、映画の見どころや、子を持つ母親として、本作への思いを聞いた。

オーロラ姫の声の吹き替えを担当した上戸彩

-久しぶりにお姫さま役を演じた楽しさや、演じた感想を教えてください。

 5年前は、自分がオーロラ姫を演じる自信がありませんでした。本編を見たときも、(オーロラ姫役の)エル・ファニングさんの地声が低めで、そこに引っ張られてしまって、監督に「ありのままの声で大丈夫ですよ」と言われた記憶があります。でも、エル・ファニングさんの芝居を見ながら声を入れていると、どうしても声が低くなっていってしまって、手こずりました。ただ、その経験を踏まえての『2』だったので、今回はとてもスムーズでした。

-自信がなかったのはなぜでしょうか。

 エル・ファニングさんの声に自分の声が合っていないんじゃないか、というのがあって、自分の中で探りながら声を入れていました。今回は、結婚というテーマがあって、妖精を守らなければならない立場として、せりふに説得力を持たせる必要があったので、少し大人っぽく感じてもらえるかなと思います。

-前作よりもオーロラ姫の強さが出ていますね。

 そうですね。『1』はマレフィセントに甘える子どもっぽいキャラクターだったんですけど、『2』では自立をしていたので、前作よりも演じやすかったです。

-「強さを出すのが楽しみだった」と以前おっしゃっていましたが、具体的に「強さ」はどのように出しましたか。

 声の太さですかね。技術的なことを意識してアフレコはしていないんですけど、せりふの内容がしっかりしていたので、そこに声の太さが加わって、皆さんの心に届いたらいいなって思っています。

-前作との演じ分けも声の太さで変えているのですか。

 演じ分けとかは考えていません。ただ、この5年の間にいろいろな声の仕事はさせていただいていたので、自分自身の経験も、きっと声に生かされているんだと思います。

-5年前と今とでは作品の見方や目線などは変わりましたか。

 今までは、オーロラ姫の目線でこの作品を見ていたんですけど、今回はどちらかと言うとマレフィセント目線で作品を追い掛けてしまうところがあって、「もっと(マレフィセントを)信じてあげてよ!」と思うことが多かったです。

-これまでさまざまな声のお仕事をされていますが、特に記憶に残っているエピソードを教えてください。

 『ズートピア』のときは、もとから自信はありませんでしたが、毎日背中を丸めて帰っていくぐらい、駄目出しをされていました(笑)。

-マレフィセントのことをどう思いますか。

 不器用に頑張る姿がとてもかわいいなって思いました。アンジェリーナ・ジョリーさんが、やらなそうな芝居で、すごく貴重なものを見たと思いました。アンジーが役を楽しんで演じているのを、画面を通して感じて、私も見ていてとても楽しかったです。

-マレフィセントはビラン(悪役)ですが、恐ろしいだけではなく、幅広い年齢層に好かれる魅力がありますね。

 私も4歳の娘に、今回はぜひ映画館で見せたいと思っていますが、小さい子にはまだ早いかもしれないので、悩んでいます(笑)。多分、後半に行くと思います(笑)。

-作品を通して学んだことはありますか。

 アンジェリーナ・ジョリーさんの目の奥の芝居やエル・ファニングさんの持つ透明感など、全てを吸い取りたいです。

-『マレフィセント』に限らず、さまざまなディズニー映画が実写化されていますね。

 期待を裏切らない、アニメーション作品をうまく実写化できるところがすごいです。日本でも数多くの作品が実写化されていて、私も経験がありますけど、「イメージが違う」となってしまう原作があるものは大変なはずなのに、世界に認められるものが作れるディズニーは、やっぱりすごいなって思います。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【Kカルチャーの視点】家族の情緒が国境を越える、俳優ムン・ソリが語る「おつかれさま」ヒットの理由

ドラマ2025年12月26日

 今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む

田中麗奈「こじらせ男の滑稽で切ない愛の行方を皆さんに見届けていただきたいと思います」『星と月は天の穴』【インタビュー】

映画2025年12月24日

 脚本家としても著名な荒井晴彦監督が、『花腐し』(23)に続いて綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介の同名小説を映画化した『星と月は天の穴』が12月19日から全国公開された。過去の恋愛経験から女性を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこ … 続きを読む

天海祐希、田中哲司、小日向文世、でんでん、塚地武雅「12年の集大成を見届けてください!」大ヒットシリーズ、ついに完結! 劇場版「緊急取調室 THE FINAL」【インタビュー】

映画2025年12月23日

 2014年1月にスタートしたテレビ朝日系列の大ヒットドラマ「緊急取調室」。たたき上げの取調官・真壁有希子が、可視化設備の整った特別取調室で取り調べを行う専門チーム「緊急事案対応取調班(通称:キントリ)」のメンバーとともに、数々の凶悪犯と一 … 続きを読む

【映画コラム】時空を超えた愛の行方は『楓』『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』『星と月は天の穴』

映画2025年12月20日

『楓』(12月19日公開)  須永恵と恋人の木下亜子は、共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せな日々を送っていた。しかし実は本当の恵は1カ月前にニュージーランドで事故死しており、現在亜子と一緒にいるのは、恵のふりをした双子の兄・ … 続きを読む

北香那「ラーメンを7杯くらい食べたことも」天野はな「香那ちゃんのバレエシーンは見どころ」 「ラーメン」と「クラシック・バレエ」が題材のコメディーで共演 NHK夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」完成会見

ドラマ2025年12月19日

 12月19日、東京都内のNHKで、1月5日からスタートする夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」の完成会見が行われ、主人公・千本佳里奈(ちもと かりな)役の北香那、佳里奈の親友・二木優美(ふたぎ ゆみ)役の天野はながドラマの見どころを語ってくれた。 … 続きを読む

Willfriends

page top