【インタビュー】『アメリカン・アニマルズ』バート・レイトン監督「自分が彼らと一緒に犯罪を行っているような気分を実感できる映画。心拍数が上がる映画になっていると思います」

2019年5月14日 / 15:48

-劇中、彼らが犯罪の参考にした映画のDVDのタイトルが映りますが、スタンリー・キューブリック監督の『現金に体を張れ』(56)だけが映像として映ります。これは監督の好みを反映させたのでしょうか。

 彼らが犯罪映画を参考にしたのは事実ですが、タイトルはこちらで並べました。『現金に体を張れ』は自分がとても好きな映画で、強盗映画としても傑作だと思ったのであえて映しました。あの映画はきっと彼らも見ていたと思います(笑)。

-『007』の新作の監督に関するオファーもあったと聞きましたが、今後撮ってみたい題材は?

 『007』のオファーはとても光栄でしたが、次回作はそれとは別にフィクションを描こうと思っています。実話に基づいていない作品を初めて撮ります。今は、それを実話のように感じさせるにはどうすればいいのかと試行錯誤をしているところです。作品を選ぶときに一番大切なのはストーリーですが、それは伝える価値があるものなのか、見た後で観客に何か考えさせることはできるのか、ストーリーの奥にもっと大きなテーマが潜んでいるか、そうしたことに目を向けながら作品を選びたいと思っています。

-最後に本作の見どころと、日本の観客に一言お願いします。

 今回、初めて日本に来ましたが、日本の文化も映画も大好きなのでとてもうれしいです。この映画には、これまでの犯罪、強盗映画とは違うものを期待してほしいです。ユニークな構成によって、観客がより感情移入ができるように仕上げているので、そこを楽しんでもらいたいです。そして、自分が彼らと一緒に犯罪を行っているような気分を実感できる映画、心拍数が上がる映画になっていると思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018

 

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