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日本の漫画は幾つか読みました。私がこの映画の原作で好きなところは、アジアの街には限定せず、地球で最後に残った都市が舞台になっているところです。そこは人種のるつぼで、いろいろな文化や言葉が共存しているので、これを映画にすれば、多様性のあるキャストを組むことができるし、普遍的なテーマを描くこともできると思いました。キャメロンも、原作のストーリーやテーマが、漫画やSFというジャンルを超えているところが気に入ったようです。私も木城さんが書いた物語には、とても共感できると思いました。
どちらも本当に素晴らしい俳優でした。最初に脚本を読んだときに思い浮かべたのがクリストフ・ヴァルツでした。彼と初めて会ったときに、いきなり3時間以上も話し込んでしまいました。彼は悪役を演じることが多いのですが、彼自身はとても温かく、すてきなお父さんだと感じたので、イド役にはぴったりだと。悪役ではない彼を見て観客は驚くはずだとも思いました。
私は、その俳優がどんな役を演じてきたかよりも、その人がどんな人なのかを見てキャスティングすることが多いのですが、ローサもそうでした。彼女はとても表現力が豊かで、反抗的なところもあり、楽しいところもあるという、アリータの性質を持っていました。アリータはCGのキャラクターで、目がとても大きい。その見た目で観客を引き込んだ後、ローサがアリータに人間味を与えてくれるはずだと思いました。
この映画を、早く日本の皆さんに見てほしいと思います。この映画は、長い間アメリカ人に大きなインスピレーションを与え続けてくれた日本の漫画やアニメに対するラブレターです。そして、原作にリスペクトをし、原作の心を大切にしながら作りました。あらゆる人に楽しんでもらえる映画になっていますので、ご家族、友だちなど、いろんな人と一緒に見に行ってください。
(取材・文・写真/田中雄二)
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