【インタビュー】『この道』大森南朋「白秋の“ぶざまだけど天才”という部分が表現できればいいかなと」

2019年1月7日 / 12:00

-劇中では、誰もが知っている音楽がバックに流れます。何か懐かしい気持ちが呼び起こされるところがありますね。

 今回、演じるに当たり、改めてCDで聴いたりもしました。自分が最初に歌を聴いたのがいつだったのかは思い出せないのですが、歌のフレーズや詩を見聞きして「あれ、これ知ってる」みたいな瞬間が何度もあり、懐かしさを感じながら演じていました。僕よりも先輩の方たちがこの映画を見て、童心に帰るような気持ちになっていただけたら、うれしいです。

-白秋は「この道」について「歌を聞いた人が自分の中のこの道を思い浮かべてくれればいい」と言っていますが、大森さんは何が思い浮かびますか。

 小学校のときの通学路や、居残りをさせられたときに友だちが待っていてくれた夕暮れの橋の上とかを思い出しますね。

-では最後に、この映画のみどころと、観客に向けて一言お願いします。

 タイトルは少し硬めですけが、笑ってもらえる要素もある映画だと思うので、純粋に楽しんで見ていただけたらと思います。そして、童謡誕生100年という意識を少し持っていただいて、日本にもこんな素晴らしい歌があったんだと改めて気付いていただければいいなと。年配の方にも、若い方にも楽しんでいただけたらと思います。
 僕としては、なかなかこういうキャラクターを演じさせてもらえる機会がなかったので、特別な思いがある映画になりました。この映画を見た別の映画製作のスタッフに、またこういう役で呼んでいだだきたいなと(笑)。50歳手前で、また新たな一面を出していければと思います。

(取材・文/田中雄二)

 

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