【インタビュー】『青の帰り道』清水くるみ「台本を読んで、母親とぶつかった反抗期の自分を思い出しました」

2018年12月10日 / 12:41

-最も印象に残った場面は?

 やっぱり、母親と話をするクライマックスです。工藤夕貴さんとのお芝居がものすごく楽しくて。事前に相談はしていないのに、私が変な方向に球を投げてしまった場合でも、臨機応変に対応していただいて…。工藤さんも、同じ場面でもテイクごとに毎回、「さっきはあんな言い方だったけど、今度はこう」みたいな感じで、せりふの言い方や間を変えてくるんです。私も、予想通りの球が来るより、「どう返そう?」というぐらいの変化球の方が好きなので、毎回新鮮な感覚でできたのが面白かったです。本当の母親かと思うぐらい、いい意味で心をえぐられました。ただ、それも後になって気付いただけで、やっている間は無我夢中でした(笑)。

-完成した映画を見た感想は?

 とても客観的に見ることができました。自分が演じているのに、母親との場面ではグッときて、思わず泣いてしまったほどで…。改めて、自分の青春時代を思い出しました。

-清水さんが出演された群像劇というと『桐島、部活やめるってよ』を思い出します。どちらも素晴らしい作品ですが、改めて青春群像劇に出演した感想は?

 内容は異なりますが、『桐島~』でもこの作品でも、心に重いものを抱えた女の子の役なので、役としては似ています。だから、『桐島』から成長した姿を見せられたら…という気持ちもあります。ただ今回は、作品全体を通してキリという女の子をものすごく深く描いているので、皆さんにもキリに共感してもらえたらうれしいです。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)映画「青の帰り道」製作委員会

  • 1
  • 2
 

関連ニュースRELATED NEWS

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

蓮佛美沙子&溝端淳平「カップルや夫婦が“愛の形”を見直すきっかけになれたら」 グアムで撮影した新ドラマ「私があなたといる理由」【インタビュー】

ドラマ2025年7月1日

 ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む

風間俊介「横浜流星くんと談笑する機会が増えてきたことがうれしい」蔦重と和解した鶴屋喜右衛門役への思い【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年6月29日

-それが変わってきたということでしょうか。  物事は、ある程度加速がつき、歯車がスムーズに回り始めれば、少ないエネルギーで進んでいくようになりますが、スタートするときは膨大なエネルギーが必要です。この作品もそういう過程を経て、ようやく彼が笑 … 続きを読む

栗田貫一「今回はルパンたちが謎の世界に迷い込んで謎の敵と戦って、しかも前に倒した連中もよみがえってくるみたいな感じです」『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-30年間やってきて、栗田さんなりのルパンに対する思いや魅力について。また栗田さんにとってルパンとはどういう存在でしょうか。  やっぱりルパン三世の声は、パート2や『ルパン三世 カリオストロの城』(79)の頃の、山田さんが一番元気だった頃の … 続きを読む

光石研、大倉孝二「ちょっと重いけれどちゃんとエンターテインメントになっていると思います」『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』【インタビュー】

映画2025年6月27日

-三池崇史監督の演出や映画に対する姿勢についてはどう感じましたか。 大倉 あまり無駄なことはおっしゃらないです。すごく明確な演出をなさいます。僕の場合は、校長と薮下先生との間に挟まれているという、スタンスにちょっとよどみがあったのかもしれな … 続きを読む

【週末映画コラム】『トップガン マーヴェリック』と兄弟のような『F1(R)/エフワン』/過酷な救急医療現場にリアルに迫った『アスファルト・シティ』

映画2025年6月27日

『アスファルト・シティ』(6月27日公開)  犯罪と暴力が横行するニューヨークのハーレム。クロス(タイ・シェリダン)は医学部への入学を目指し勉学に励む一方で救急救命隊員として働き始める。  ベテラン隊員のラット(ショーン・ペン)とバディを組 … 続きを読む

Willfriends

page top