【インタビュー】『キングコング:髑髏島の巨神』ブリー・ラーソン「私の体って結構すごいんだなと思いました」

2017年3月24日 / 14:13

 1933年に製作された特撮映画の古典『キングコング』から数えて、通算8作目となる『キングコング:髑髏島の巨神』が3月25日に公開される。今回は舞台を1970年代に移し、コングの故郷である髑髏(どくろ)島でのサバイバルを中心に描く。公開を前に、カメラマンのメイソン・ウィーバーを演じたブリー・ラーソンが来日し、今までとはひと味違うヒロイン像やキャラクターに対する思いなどを語った。

(C)YOSHIKO YODA

(C)YOSHIKO YODA

-実際にはいないコングを相手に演技をするのは大変でしたか。

 コングはこういう顔をしているのかなと頭の中で想像し、イマジネーションを膨らませながら演じました。ピンク色のテープが貼ってあるグリーンのスクリーンに向かって、それに触れたり、それを見たりしながら演技をしました。ですから、出来上がった映像を見るまでは自分がキングコングの映画に出ているという実感がありませんでした。映像を見た時は本当に驚きました。

-今回はアクティブなカメラマン役で、激しいアクションシーンも多かったですね。

 毎日10時間ぐらい、登ったり、走ったりを繰り返したので、疲れ果ててしまいました。やっと2時間ぐらい寝たかと思うと、また同じことの繰り返しで、それを半年間もしていたわけです。ところが、少し休むとまた本来の自分に戻れました。肉体はサバイバルしたいという欲求を持っていることに気付き、私の体って結構すごいんだなと思いました(笑)。『ルーム』の時は精神的なトレーニングをしましたが、こんなに体を使う役は今までやったことがありませんでした。でも、肉体的にも精神的にも、限界を超えるところまで自分を持ち上げてくれるのがこの仕事の素晴らしいところです。今回は本当にやって良かったと思いました。

-これまで作られたコングの映画は見ましたか。

 昔の『キングコング』は以前見ましたが、今回の撮影前にはあえて見直しませんでした。見てしまうといろいろと影響を受けてしまうと思ったからです。前作とは関係なく自由に演じるということをキープしたかったのです。

-演じたメイソンのように、何か大きな壁にぶち当たった時、乗り越える方法はありますか。

 私は、ユーモアを持つことが一番いい方法だと思います。自分を解き放つためには泣くか笑うしかないけれど、私はなるべく笑って吹き飛ばそうと考えます。また、困難から離れるのではなく、近づいて立ち向かうことが大切だと思います。

-今回は1970年代という、自分が生まれていない時代が舞台でした。何か事前にリサーチなどはされましたか。

 今回はベトナム戦争の写真を見たり、当時の音楽を聴いたり、当時の女性のライフスタイルについて書かれたものを読んだりしました。キャラクターを作る時は、いろいろな角度から作っていかなければならないといつも思っています。

-メイソンとご自身が似ていると思うところはありましたか。

 どのキャラクターにも、少なからず自分自身を投影して演じている部分があります。それとは逆に、キャラクターを演じることで自分のことが分かってくることも多いです。今回のメイソンというキャラクターからは、自分が信じていることを声に出すことがいかに大切なのかということを学びました。今後はいろんなジャンルの映画に挑戦したいです。大作も低予算の映画もどちらもやりたいですね。私は、バランスが取れていないというのが好きなんです(笑)。

-では、最後に日本の印象をお願いします。

 日本は大好きな場所の一つです。日本にいるとほかの所では感じないような安らぎを覚えてホッとします。この映画の続きについては、私も皆さんと同じぐらいしか知りませんが、もしうわさ通りに『ゴジラ対キングコング』を作るなら、絶対に日本で撮影してほしいですね。そうすれば長い間日本にいることができますから(笑)。

(取材・文/田中雄二)

(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED

(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED


関連ニュースRELATED NEWS

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

安田顕「水上くんの目に“本物”を感じた」水上恒司「安田さんのお芝居に強い影響を受けた」 世界が注目するサスペンスで初共演&ダブル主演「連続ドラマW 怪物」【インタビュー】

ドラマ2025年7月5日

 韓国の百想芸術大賞で作品賞、脚本賞、男性最優秀演技賞の3冠を達成した極上のサスペンス「怪物」。WOWOWが世界で初めてそのリメイクに挑んだ「連続ドラマW 怪物」(全10話)が、7月6日(日)午後10時から放送・配信スタート(第1話・第2話 … 続きを読む

TBS日曜劇場「19番目のカルテ」が7月13日スタート 新米医師・滝野みずき役の小芝風花が作品への思いを語った

ドラマ2025年7月5日

 7月13日(日)にスタートする、松本潤主演の日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS 毎週日曜夜9時~9時54分)。原作は富士屋カツヒト氏による連載漫画「19番目のカルテ 徳重晃の問診」 (ゼノンコミックス/コアミックス)。脚本は、「コウノド … 続きを読む

南沙良「人間関係に悩む人たちに寄り添えたら」井樫彩監督「南さんは陽彩役にぴったり」期待の新鋭2人が挑んだ鮮烈な青春映画『愛されなくても別に』【インタビュー】

映画2025年7月4日

 第42 回吉川英治文学新人賞を受賞した武田綾乃の小説を原作にした鮮烈な青春映画『愛されなくても別に』が、7月4日公開となる。浪費家の母(河井青葉)に代わってアルバイトで生活を支えながら、奨学金で大学に通う主人公・宮田陽彩が、過酷な境遇を受 … 続きを読む

紅ゆずる、歌舞伎町の女王役に意欲「女王としてのたたずまいや圧倒的な存在感を作っていけたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年7月4日

 2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。  物語の舞台は歌舞 … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】異領域を融合する舞台芸術、演出家イ・インボの挑戦

舞台・ミュージカル2025年7月3日

 グローバルな広がりを見せるKカルチャー。日韓国交正常化60周年を記念し、6月28日に大阪市内で上演された「職人の時間 光と風」は、数ある韓国公演の中でも異彩を放っていた。文化をただ“見せる”のではなく、伝統×現代、職人×芸人、工芸×舞台芸 … 続きを読む

Willfriends

page top