エンターテインメント・ウェブマガジン
弾ける水しぶき。男性キャラクターのつややかな肉体美。春先から制作会社の宣伝CMで話題を集め、夏の到来とともにスタートした「Free!」。9月26日にTOKYO MXで放送された最終話「遙かなるフリー!」では、番組放送中1分あたりに平均932ツイート(※「アニメエンジン(β)」調べ)が投稿され、他作品の最終話を圧倒するツイート数で、「神回」と呼ぶにふさわしい盛り上がりを見せた。
男子高校生の「友情」と「絆」をテーマとした、爽やかな青春ドラマが本作の見どころ。その中で描かれる、男の子同士の何げない会話やしぐさは、女性目線で見るとドキッとさせられる要素が満載だ。押し倒された遙の視点から、ポロポロと涙を流す凛を見上げるシーンには、いとしさで胸が詰まる。オープニング映像で意味ありげに映し出されていた涙の理由も、最終話でしっかりと回収されたところで、物語はいよいよクライマックスへ。
最大の見せ場となるメドレーリレーでは、それぞれのキャラクターの性格を表した泳法が披露される。試合中という緊迫した状況とは裏腹に、水中では彼らの心の中を表現した幻想的な世界が、スローモーションで描写される。最高のメンバーとリレーができる喜びを全身で感じ、魚のように自由に泳ぐ遙たち。水中のカメラワークは、自身も高校時代水泳部だったという内海紘子監督の実体験に基づいた演出が生かされている。人間関係のわだかまりが解消された解放感と、水の中でのびやかに泳ぐキャラクターの動きが重なって、画面からは心地よさが伝わってくる。
話題性、クオリティーともに最後まで期待を裏切らなかった「Free!」は、2013年の夏期アニメの中で最も注目された傑作の一つと言って間違いないだろう。エンドカードに記された「see you next summer…」の言葉は信じてもよさそうだ。(松田はる菜)
映画2025年12月30日
2026年1月1日全国公開となる『迷宮のしおり』は、「マクロス」、「アクエリオン」シリーズなどで知られる河森正治監督初のオリジナル長編アニメーションだ。 引っ込み思案な女子高生・前澤栞(声:SUZUKA(新しい学校のリーダーズ))は、親 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月29日
映画『うちの弟どもがすみません』やドラマ『リベンジ・スパイ』など、数々の映画やドラマ、舞台で活躍する織山尚大の3年ぶりの主演舞台となる「エクウス」が1月29日から上演される。本作は、実際に起きた事件を基に描かれた、ピーター・シェーファーに … 続きを読む
映画2025年12月28日
今回は、筆者の独断と偏見による「2025年公開映画ベストテン」を発表し、今年を締めくくりたいと思う。 【外国映画】 2025年公開の外国映画を振り返った時に、今年の米アカデミー賞での受賞作は最近の映画界の傾向を象徴するようで興味深いもの … 続きを読む
ドラマ2025年12月26日
今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む
映画2025年12月24日
脚本家としても著名な荒井晴彦監督が、『花腐し』(23)に続いて綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介の同名小説を映画化した『星と月は天の穴』が12月19日から全国公開された。過去の恋愛経験から女性を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこ … 続きを読む