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ケビン・コスナー演じるNFLクリーブランド・ブラウンズのGMを主人公に、ドラフト会議当日の長い1日を描く『ドラフト・デイ』が、30日から公開された。アイバン・ライトマン監督がチーム同士の駆け引きやドラフトに絡む人間模様を手際良くまとめている。
ところで、かつて『さよならゲーム』(88)『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』(99)でプロ野球選手を、『ティン・カップ』(96)でプロゴルファーを演じたコスナーが、本作ではフロント側の人間を演じていることに時の流れを感じる人も多いだろう。
コスナーは、1980年代後半から90年代を代表するハリウッドスターの一人。『ファンダンゴ』 (85)や『シルバラード』(85)で頭角を現し、『アンタッチャブル』(87)『フィールド・オブ・ドリームス』(89)などでアメリカの良心が表現できる存在としてスターの座に就いた。さらに、製作、監督、主演した『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(90)がアカデミー賞の作品、監督賞ほかを獲得し、ハリウッドの頂点を極めた。
『JFK』(91)『ボディガード』(92)など話題作に主演し、日本ではCMに出演するなど、その歩みは順風満帆に見えたが、製作も兼ねた『ウォーターワールド』 (95)の撮影中に起こした不倫スキャンダルと興行的な大失敗が重なり、人気は一気に下降。その後も映画には出演し続けたが、ヒット作には恵まれなくなってしまった。
そんなコスナーが、近年、スーパーマンの養父を演じた『マン・オブ・スティール』(13)、主人公の上司を演じた『エージェント:ライアン』(14)で渋い脇役として新たな存在感を示し始め、思春期の娘に手を焼くCIAエージェントを演じた『ラストミッション』(14)で、久々のヒットにも恵まれた。『ドラフト・デイ』はコスナーの“復活ぶり”を裏付ける作品でもあるのだ。