【映画コラム】原作はリチャード・バックマン(スティーブン・キング)と東野圭吾『ランニング・マン』『クスノキの番人』

2026年1月31日 / 08:00

『クスノキの番人』(1月30日公開)

(C)東野圭吾/アニメ「クスノキの番人」製作委員会

 理不尽な理由で会社から解雇された直井玲斗(声:高橋文哉)は、追い詰められた末に過ちを犯し、逮捕される。失意の中、亡き母の腹違いの姉で、大企業・柳澤グループの発展に貢献してきた千舟(天海祐希)が現れ、釈放と引き換えにある命令を下す。それは「月郷神社にある、祈れば願いをかなえてくれるというクスノキの番人になること」だった。

 戸惑いながらも番人となった玲斗は、千舟や、クスノキに通い続ける佐治寿明(大沢たかお)、父の行動を不審に思う女子大生の娘・優美(齋藤飛鳥)、家業を継ぐことに葛藤する大場壮貴(宮世琉弥)ら、さまざまな人々と関わる中で、クスノキが秘めた力の真実を知っていく。

 ベストセラー作家・東野圭吾のファンタジー小説をアニメーション映画化。東野作品の中で初のアニメ映画化となった。「ソードアート・オンライン」シリーズの伊藤智彦が監督、脚本は「ハイキュー!!」シリーズの岸本卓。A-1 Picturesがアニメーション制作を担当。

 原作者の東野が「人殺しの本ばかり書いていると、時折ふと、人を生かす話を書きたくなるのです」と語っているが、本作は超自然の存在であるクスノキを通して、主人公である玲斗の再生と成長を中心に、人々の「思い」「願い」「祈り」「念」といったものを具現化し、人が人を思う気持ちが伝わる作品になっている。

 実写版を見てみたい気もしたが、意外に東野作品とアニメの相性はいいのかもしれないとも感じた。架空の月郷神社はもちろん、武蔵五日市駅周辺など街中の風景描写も秀逸だ。

(田中雄二)

 

  • 1
  • 2
 

Willfriends

page top