ストーリーの着想が面白い『異動辞令は音楽隊!』『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』【映画コラム】

2022年8月25日 / 07:00

『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』(8月27日公開)

(C)2022WOWOW・KADOKAWA・ひかりTV

 ホラー映画監督の黒石光司(白石晃士)は、助監督の市川美保(堀田真由)を引き連れて、実録映画の撮影のために山奥の家を訪れる。そこには黒石の映画のファンだという、精神錯乱気味の美女・三好麻里亜(筧美和子)がいた。

 彼女は「私が体験した出来事は、監督の映画の内容そのものなの」と訴える。そして不気味な麻里亜の家で、黒石のカメラが思いもよらぬ現象を捉え始める。

 次々と恐怖が迫る森の中、スーパーボランティアの江野祥平(宇野祥平)に助けられ、さらにイケメン霊媒師のナナシ(飯島寛騎)も加わり、カメラは恐ろしい出来事を記録していく。麻里亜を救うため、そして傑作映画を作るため、“撮影隊”の冒険が始まる。

 白石監督自らが、黒石役として映画内映画の撮影の様子を描くホラーコメディー。『カメラを止めるな!』(17)をほうふつとさせるところもある。

 ただ、アイデアは面白いのだが、ハンディカメラによる長回し映像に、危うく手ぶれ(映像)酔いしそうになった。

 また、後半に登場する狂った新興宗教集団の様子が、いかにもグロテスクで笑えないのが残念。タフなヒロインを熱演した堀田と、宇野の怪演が印象に残る。

(田中雄二)

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