【映画コラム】アメリカ映画お得意の告発劇『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』

2021年12月16日 / 10:00

 名場面は、デュポンから送られた膨大な証拠書類をビロットが整理し、核心に迫っていく様子を描いたシーン。また、環境汚染問題を描きながら、ウエストバージニアの自然の素晴らしさを歌ったジョン・デンバーの「カントリー・ロード」を流す皮肉も効いている。

 ラファロは、『アベンジャーズ』シリーズのブルース・バナー/ハルク役が有名だが、デュポン財閥の御曹司(スティーブ・カレル)に雇われ、殺害されるレスリングのコーチを演じた『フォックスキャッチャー』(14)と、新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴く様子を描いた『スポットライト 世紀のスクープ』(15)でアカデミー助演男優賞の候補になっている。さまざまな役がこなせる貴重な俳優だが、この映画ではその真骨頂を発揮している。(田中雄二)

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