【映画コラム】ファンタジーの力を借りて、子どもたちの心の成長を描いた『バーバラと心の巨人』と『ルイスと不思議の時計』

2018年10月12日 / 19:45

 続いて、こちらは少年が主人公の『ルイスと不思議の時計』。両親を亡くしたルイス(オーウェン・ヴァカーロ)は、伯父のジョナサン(ジャック・ブラック)に引き取られ、彼が住む古い屋敷を訪れるが、彼は二流の魔法使いだった。ルイスは、ジョナサンと、同じく魔法使いで隣人のツィマーマン夫人(ケイト・ブランシェット)と共に、屋敷に隠された“世界を破滅に導く時計”を探すことになる。

 ルイスは転校先でいじめに遭ったりもするが、孤独な伯父と、かつて子どもを亡くした夫人と心を通わせ、彼らと擬似家族を形成することで成長し、心の強さを身に付けていく。その様子がコメディータッチを交えながら描かれる。

 本作の舞台は1950年代だが、監督がホラー畑のイーライ・ロスであるのに加えて、スティーブン・スピルバーグが主宰するアンブリン・エンターテインメントが製作したためか、『トワイライトゾーン/超次元の体験』(83)や『グレムリン』(84)、『ロジャーラビット』(88)など、グロテスクでダークな雰囲気を持った80年代のファンタジー映画に似ている気がして、懐かしい思いがした。(田中雄二)

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