【映画コラム】あくまで“ジョン・ウーの世界”として見れば…『マンハント』

2018年2月10日 / 17:05

 今回は、オープニングの、なぜか演歌調の小料理屋のシーンで、主人公の弁護士チウ(チャン・ハンユー)が同作について語り、テーマ曲を口ずさむことで、本作とのつながりを印象付ける。

 そして、無実の罪を背負って逃げるチウ、それを追う矢村刑事(福山雅治)という流れの中で、2丁拳銃、至近距離での撃ち合い、スローモーション、独特のカット割り…と、かつて『男たちの挽歌』(86)などで、一世を風靡(ふうび)したウー監督流のアクションシーンが繰り広げられるのだが、いささか古くさくなった感じがするのは否めない。

 また、全体の展開も雑で、“何が何でも逃げ切ってやる”という主人公の執念があまり感じられず、魅力が半減。見ているうちに、『君よ憤怒~』はもっと面白かった、やっぱり健さんはすごかった、と思わせるようでは駄目だと感じたが、それはあくまでも『君よ憤怒~』ありきで見た場合の話。『君よ憤怒~』とは切り離して、あくまで“ジョン・ウーの世界”として見れば、これはこれでよしとすべきなのだろうか。(田中雄二)

『君よ憤怒の河を渉れ』(C)KADOKAWA 1976

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