【映画コラム】今回の“裏主役”はルーク!『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

2017年12月15日 / 14:49

 前作のJ.J.エイブラムスに代わって監督、脚本を担当したライアン・ジョンソンは「全ての『スター・ウォーズ』シリーズの根本は、子どもが思春期を経て大人になっていく過程で、自分の内面にある力に気付き、それをどう使うのか、誰を信頼するのか、新たな世界の中で自分の居場所をどう見付けていくのか、という地図のような物語だ」と語っていた。

 その言葉通り、今回は若さ故に思い悩むレイとカイロ・レンはもとより、ジェダイ・マスターとなりながら悟りが開けないルークの姿を前面に置き、互いの関わりを描くことで、シリーズに共通する“苦悩と成長”というテーマを浮かび上がらせた。

 加えて、本作は、それぞれのキャラクターが抱える別々の物語が、後半にいくに従って、一つに集約されていくという展開のうまさも感じさせる。3作目は再びエイブラムスが監督をするという。“中継ぎ”役を立派に果たしたジョンソンに拍手を送りたい。

 最後になるが、筆者のようなオールドファンにとっては、やはり、ハミルとフィッシャーが『~ジェダイの帰還』(83)以来、34年ぶりに共演を果たしたことに感慨深いものがあった。

 シリーズ開始当初は、兄妹役だとは明かされておらず、若い恋人同士のように見えた2人が、互いに年を取り、しわだらけになって対面している。しかもフィッシャーが本作の撮影後に急逝したことを思うと、再会を喜びながらも、時の流れを実感させられ、寂しさを感じさせられたのは否めない。

 とはいえ、フィッシャーの死によって、第3部の展開は大きく変わるのか。レイたちのその後は…など、まだまだ興味は尽きない。(田中雄二)

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