【映画コラム】映画館でこそ真価を発揮する『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

2017年5月14日 / 08:00
(C)Marvel Studios 2017

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 宇宙のはみ出し者チームの活躍を描くシリーズ第2弾『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が公開された。

 “スター・ロード”ことピーター・クイル(クリス・プラット)をリーダーに、凶暴なアライグマのロケット(声=ブラッドリー・クーパー)、マッチョな破壊王ドラックス(デイヴ・バウティスタ)、ツンデレな暗殺者ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)、小さな“木”グルート(声=ヴィン・ディーゼル)がチームのメンバー。もちろん単品でも楽しめるが、第1作を予習、復習してから見るとさらに面白く見られる。

 今回はピーターの父を名乗るエゴ(カート・ラッセル)と育ての親のヨンドゥ(マイケル・ルーカ―)の存在を絡めながら、ピーターのリーダーとしての自覚やチームの結束を描いていく。前回の宝探しから「父と子」「仲間との絆」へとテーマを転換させ、それぞれのキャラクターの掘り下げを見どころとしている。

 何より、このメンバーたちを見ていると、人種や肌の色、見た目の違いを気にすること自体がナンセンス、そんなことは大した問題ではないと思えてくる。そこがこのシリーズの大きな魅力なのだ。

 また、今回もピーターの母が作ったミックスカセットテープから流れる、「父と子」(キャット・スティーブンス)「ミスター・ブルースカイ」(ELO)「マイ・スウィート・ロード」(ジョージ・ハリスン)…といった、1970~80年代の名曲(粋な選曲)が映画を盛り上げる。

 そのほか、かつて野球選手として鳴らしたラッセルとプラットのキャッチボールシーン、80年代を代表するヒーロー、シルベスター・スタローン、テレビドラマ「ナイトライダー」のデビッド・ハッセルホフのカメオ出演など、楽しい小ネタも満載。

 コメディー、アクション、特撮、音楽、おまけにほろりとさせる人情話と、てんこ盛りの2時間余。こういう映画は映画館でこそ真価を発揮する。(田中雄二)


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