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前述の「アンナチュラル」も、基本はエンターテインメントでありながら、その裏には奥深い人間ドラマを内包していた。
そんな井浦は現在公開中の『菊とギロチン』にも出演。大正末期を舞台に女相撲一座とアナーキストグループ、ギロチン社の若者たちの生きざまを描いた群像劇だ。
さらに、10月には『止められるか、俺たちを』(18)も公開予定。こちらは、『実録・連合赤軍』、『11・25自決の日』を生んだ若松孝二監督の製作会社、若松プロダクションに集った若者たちの青春を描く。井浦が演じるのは、その若松監督本人。数々の作品に出演し、告別式では弔辞まで読んだ相手を演じるということで、相当な覚悟を持って臨んでいるはずだ。
一方、テレビドラマでは7月17日からフジテレビ系で始まる「健康で文化的な最低限の生活」に出演予定。こちらは吉岡里帆演じる新人ケースワーカーを主人公にした心温まるヒューマンドラマといった趣だが、“生活保護”という社会的な問題を扱っているあたり、井浦らしい作品と言える。
クールで繊細なイメージとは対照的な、硬派で骨太な出演作の数々。2018年後半もその持ち味を生かした活躍で、見る者をうならせてくれるに違いない。(井上健一)