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第3回では、薩摩藩主・島津斉興(鹿賀丈史)と嫡男・斉彬との確執に端を発したお家騒動“お由羅騒動”が勃発する。最後は吉之助の師・赤山靭負(ゆきえ・沢村一樹)に切腹の沙汰が下るというショッキングな幕切れとなった。第4回「新しき藩主」(1月28日放送)では、赤山の最期とともに、新藩主・斉彬誕生のいきさつが描かれる模様。いよいよ本格的なうねりを見せ始める物語から、ますます目が離せなくなりそうだ。
ところで、第1回放送時点では、「歴代ワースト2位の視聴率」、「薩摩弁が分かりにくい」などネガティブな報道もあったが、いずれもそれほど心配する必要はないだろう。視聴率に関していえば、視聴環境が大きく異なる数十年前の作品と現在とを比較することに意味があるとは思えない。その一方、地上波より早く放送されるBSの視聴率がこれまでに比べて高いとの報道もある。
また、薩摩弁についても、SNSでの視聴者の反応をリアルタイムで拾ってみると、「分かりにくい」=「つまらない」とする反応は薄いように感じる。むしろ、「分からないことを面白がっている」という印象だ。確かに劇中の薩摩弁は、耳慣れない人間には聞き取りにくいが、物語が分からないというほどではない。物語が進めば違和感も解消され、いずれはSNS上でも薩摩弁が飛び交い始めるのではないだろうか。
快調に滑り出した「西郷どん」。今後は北川景子演じる篤姫なども登場し、激動の幕末を乗り越え、明治維新を成し遂げる西郷の波乱の生涯が描かれていく。今年1年、見応えのある作品となることを期待しつつ、その行方を見守っていきたい。(井上健一)