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12月18日の放送で最終回を迎えたNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。放送終了後には主演の小栗旬をはじめ、これまで物語を彩ってきたキャストがコメントを発表。その言葉から、衝撃の展開となった義時の最期を振り返ってみた。
義時の最期を演じた小栗は、まず「彼自身はまだあそこで死ぬ気はなくて、『まだまだ生にしがみついていたい』という思いがあるところなんです」と、当時の心境を語った。
同時に、「ただ、前半、政子(小池栄子)と2人でしみじみ昔のことを語っているところでは、『自分の人生の最期を迎えているような状況でしゃべっちゃっているな』と感じていたんですけどね」と別の思いが湧き上がってきたことも告白。
「そんなつもりは毛頭なかったんですけど、そういう感じになってしまったなと、義時を演じながら思っていました」と撮影を振り返る言葉には、複雑な思いがにじむ。
そんな義時の最期を見届けることになった姉の政子役の小池栄子は「いろんな気持ちがいったりきたりしました」との言葉に続けて、その思いをこう説明する。
「頼家(金子大地)のことを聞いたときの母親としての気持ちとか、義時の姉として感じる気持ちとか。息子のことだけどもう過去のことであって、義時もその後、厳しい決断をしながらここまで頑張ってきたのに、弱っている姿を見て寂しさみたいなもの、はいつくばっている姿を見たらたまらないものがあって」
さらに、撮影時のこんなエピソードも披露した。「最後、近くに行って義時の手を握ったら手が冷たかったんですよ。それにまたショックを受けちゃって。『私が芝居をしやすいように冷やしてきたのかな』と思うぐらいキンキンに冷えていて。『このまま息を引き取ったんだなぁ』って」
そして、撮影に臨んだ際の複雑な思いを再びこう打ち明けた。「果たして自分が下した決断で彼は満足してくれたのかとか、幸せな最期だったのかとか、とにかく頭がぐるぐるしました。感情もぐるぐるしたし、昨日の夜から寝つけないぐらい興奮と不安を感じていましたね」
胸中複雑な義時の最期だったとはいえ、ここまで演じてきた政子役を振り返る言葉からは、「鎌倉殿の13人」の撮影が小池にとって充実した時間だった様子が伺える。
「くじけずにどんなことがあっても、受け止めて前を向いて進んで歩んでいく姿は、1年5カ月通して、私もいち人間としてすごく北条政子さんに教わった部分があります。だからこの1年5カ月というのは本当にかけがえのないものですし、私の人生において、自分の今後の生き方について同じ女性として学びがたくさんありました」
そして最後に、「くじけず生きていこうと思いました」と締めくくった。