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そう考えると、「何とかする」は義時の人生哲学のようにも思えてくる。しかしその結果は、全てが「何とかなった」わけではない。力を尽くしながらも、思い通りに運ばなかったことの方が多いかもしれない。それでも義時は、その結果を正面から受け止めてきた。
権謀術数渦巻く権力闘争が毎回のように繰り広げられ、心が痛くなるような非情な展開が続く今。それでも私たちがこの物語から目が離せないのは、歯を食いしばって過酷な時代を「何とか」生き抜こうとする義時たち(前述した実朝も含め)の姿が、今を生きる自分たちに重なるからではないだろうか。
毎回のようにつらい死が続くが、本作が描こうとしているのは「死」ではなく、あくまでも「生きようとする人たち」の前向きな物語に思える。
終盤に向けて、物語はこれから、さらに過酷な展開が待ち受けているに違いない。その中で「何とか」生きようとする人たちの前向きなドラマがどのように描かれていくのか、期待を込めて見守っていきたい。
(井上健一)