【大河ドラマコラム】「青天を衝け」第三回「栄一、仕事はじめ」庶民の日常を見つめるドラマと大河ドラマらしいスケール感が一体化した作品の魅力

2021年3月2日 / 13:16

 本作の演出を務める黒崎博は、番組公式サイトのインタビューで次のように語っている。

 「これまで、幕末を舞台にしたドラマの多くは、幕府や薩長の視点で描かれたものでした。しかし、『青天を衝け』は、“第三の視点”で描かれます。それは一市民の視点です。それこそがこの時代を生きた多くの日本人の目線であり、一市民がどのように生き、どのように日本のことを考えていたのか。そこを大事にしたいと思っています」

 長くなるので省略したが、黒崎の言葉にある「一市民」とは、栄一を指している。物語はこれから、尊王攘夷に傾倒し、慶喜に仕えるなど、大河ドラマらしく激動の幕末に翻弄される栄一の姿も描いていくはずだ。

 だが、黒崎の言葉通り、武士とは違う一市民である栄一の視点を貫いていけば、今までとは一味違った幕末・近代のドラマが見られるのではないか。そんな期待を抱かせる第三回だった。(井上健一)

渋沢栄一役の吉沢亮

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