【演劇コラム】劇場・舞台を救おう! 今、私たちができる支援とは?

2020年5月7日 / 16:00

 ライブやスポーツとともに、3月上旬から演劇界も自粛が続いている。現在も先の見通しは立たず、業界は疲弊するばかり。そんな状況を受けて、演劇界を救うべく、数々の新規プロジェクトが発足している。エンタメは不要不急に当たるものかもしれないが、生きていく上ではなくてはならないものだと筆者は思う。だからこそ、演劇・舞台の灯はともし続けたい。そのために、今私たちにできることとは何か。ここでは、現在、企画進行中の支援プロジェクトを紹介する。(※紹介する情報は、5月7日現在のもの。情勢によって変化する可能性あり)

舞台専門プラットフォーム「シアターコンプレックス」

舞台専門プラットフォーム「シアターコンプレックス」

 演劇プロデューサーの松田誠氏を発起人に、新たな舞台専門の配信サービスを立ち上げるプロジェクトで、舞台の火を消すことなく、舞台を楽しみにしている観客、さらにはキャスト、クリエーター、スタッフ、主催者などを守り、未来のエンターテインメントを豊かにするために立ち上がったもので、既存公演の映像配信や、今後上演される公演のライブ配信、さらにはオリジナルコンテンツ配信を目指す。オリジナルコンテンツでは、舞台裏まで楽しめる、さまざまなバリエーションの企画を展開予定とあって、期待が高まる。

 プロジェクト発足に当たって、5月1日からはクラウドファンディングもスタート。さらに、クラウドファンディング終了の6月7日まで、公式サイトで「応援トークライブ」も配信中だ。トークライブでは、松田氏と日替わりでゲスト出演する俳優・演出家たちのここでしか聞けない貴重なトークが展開される。

舞台芸術を未来に繋ぐ基金 Mirai Performing Arts Fund

 新型コロナウイルスの感染拡大によって活動停止を余儀なくされた舞台芸術に携わる出演者・クリエーター・スタッフに対して、今後の活動に必要な資金を助成する基金。1億円を目標金額に、「MotionGallery」内に募金用サイトを立ち上げた。同プロジェクトは、クラウドファンディングとは違い「公益基金」になるため、税制優遇措置を受けられる。

 また、「MotionGallery」でのプロジェクト終了後も基金は存続し、今後の舞台芸術界や社会に役立つ活動を行う。プロジェクトには、演出家・脚本家の板垣恭一氏や俳優の伊礼彼方をはじめとした数多くの俳優、クリエイターらが賛同し、支援の輪が広がっている。

「うち劇」

 作品を発表する場をなくした俳優や演出家が安心できる環境で芝居をできるプラットフォームの設立を目指し、BS TBSなど3社で作る「うち劇」。俳優らが自宅や事務所など別々の場所からオンラインで演じ、有料で「ネット配信舞台」が配信される。

 これまでに、第一弾公演「マトリョーシカの微笑〜刑事は二度死ぬ」(出演:染谷俊之、平野良、赤澤燈)を4月25日、第二弾公演「振り向くな、後ろに未来はない」(出演:佐藤流司、良知真次、近藤頌利)を5月5日、第三弾公演「刑事×刑事」(出演:凰稀かなめ、染谷俊之)を5月6日に配信し、大成功を収めた。同公演では、上演後にファンからのコメントに応える形で、観客が楽屋に行った形のファンサービスも行われ、配信ならではの楽しみも提供している。

 
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