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戦国の荒波に翻弄され続ける真田家を一艘の船になぞらえ描き出したNHK大河ドラマ「真田丸」。昨年の12月18日に本放送の最終回を迎え、全50話が終了。最後の場面は、堺雅人演じる真田幸村が敗走の末、神社の境内で自害し、兄の信之(大泉洋)がその事実を悟るシーンで幕を閉じる。歴代の大河ドラマと比較しても、これほど放送中から話題になった作品も珍しく、放送直後はSNSなどで真田丸に関連したワードがトレンド入りするなど、大いに盛り上がった。
視聴率を見ても全50話の平均が16.6%と、ここ5年間の大河の中では最高の数字を記録。その話題性の高さを証明した。また、ドラマの波及効果も絶大で、物語の主な舞台となった長野県はドラマによる県内の経済効果を200億円以上と算出。真田家の居城、上田城を擁した上田市内の「信州上田真田丸大河ドラマ館」は放送終了後も来館数を伸ばし続け、入館者は100万人を突破した。
2月16日からは台湾での放送もスタートするなど、まだまだ熱の冷めやらぬ中、これだけの物語を作り上げたキャスト陣のその後にも注目が集まる。「真田丸」での1年2カ月にも及ぶ長期の撮影を終えた主演の堺雅人。今後は、出演映画として、2017年12月9日に『DESTINY 鎌倉ものがたり』、2018年春に『北の桜守』の公開が控えている。
『DESTINY 鎌倉ものがたり』は『ALWAYS 三丁目の夕日』や『永遠の0』の山崎貴監督作品で、共演はNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」でヒロインを務めた高畑充希だ。2016年の日曜夜の顔が堺ならば、高畑は平日朝の顔。ともに昨年のドラマ界を盛り上げた2人が、映画で見せる新たな物語に期待したい。また、『北の桜守』では、吉永小百合と共演。2月16日にはすでに網走でクランクインしており、夏ごろまで北海道内や東京都内で撮影を行う予定だという。
そして、ちょうど同じ時期に、幸村の兄・真田信之を演じた大泉洋も北海道での撮影を行っていた。2月16日、今冬に公開される主演映画『探偵はBARにいる3』の撮影のため北海道入りしたことを、共演者の松田龍平が大泉との2ショットと共に、自身のInstagramに投稿。2人のファンを大いに喜ばせた。
そのほかにも今年は大泉の出演作品が続く。3月26日に放送される佐藤浩市主演のスペシャルドラマ「LEADERSⅡ」(TBS系)や、12月1日公開予定の映画『鋼の錬金術師』などに出演する。ちなみに、「LEADERSⅡ」には「真田丸」で徳川家康に扮した内野聖陽が、『鋼の錬金術師』には豊臣秀吉を演じた小日向文世がそれぞれ参加している。
また、忘れてはならないのが、信之と信繁(幸村)の幼なじみであり、物語のヒロイン・きりを演じた長澤まさみだ。最終回の手前の49話「前夜」では、ついに思い人である幸村から口吸いを受けたきり。「せめて10年前に…、あのころが私、一番きれいだったんですから」と、口をふさがれながらしゃべり続けるという、斬新なキスシーンを見せてくれた。
長澤は、「真田丸」終了後も、ジャンルをまたいで、さまざまな話題作に出演。今年1月のミュージカル「キャバレー」では、セクシーな衣装をまとい、過激なダンスを見せつけたかと思えば、今月17日(金)公開のアニメ映画『SING/シング』では声優を務め、歌声を披露している。さらに、今年は『散歩する侵略者』(9月9日公開)、『追憶』(5月6日公開)、『銀魂』(7月14日公開)など、3作もの出演映画の公開が控えており、その活躍は留まるところを知らない。
アニメの声優といえば、徳川秀忠を演じた星野源も、4月7日に公開されるアニメ映画『夜は短し歩けよ乙女』で主人公・先輩の声を担当する。「真田丸」の最終回では、父である徳川家康(内野聖陽)の命をすんでのところで救い、幸村に傷を負わせ、「真田左衛門佐、ここまでじゃ~!!」と気迫の熱演を魅せた星野。
自身が主演を務めた昨年秋クールの大ヒットドラマ「逃げ恥」こと、「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)の最終回では、「真田丸」のパロディーを披露。「真田丸」の最終回からわずか2日後ということもあり、そのタイムリーさとユーモアに、多くの視聴者の笑いを誘った。また、「逃げ恥」には、「真田丸」で忍びの佐助を演じた藤井隆も出演。「真田丸」出演者同士の共演が話題になっていた。
また、ほかにも「真田丸」キャスト陣によるドラマへの出演が相次いだ。「真田丸」前半のもう一人の主人公ともいえる、真田昌幸を演じた草刈正雄は、2月28日に最終回を迎えた「幕末グルメ ブシメシ!」(NHK BSプレミアム)で殿様の松平茂照役を好演。幸村の正室・春を演じた松岡茉優は、4月3日に放送がスタートする倉本聰脚本の帯ドラマ「さすらぎの郷」(テレビ朝日系)に出演する。幸村の最初の妻で悲運の死を遂げる梅を演じた黒木華は、5月13日から放送開始の「みをつくし料理帖」(NHK総合)で主人公の澪(みお)を演じることが決まっている。
「真田丸」という船から新たな船に乗り換え、新天地を目指す俳優たち。しかし、大河という大舞台で、各々の役を演じきったという記憶は、決して色あせることはないだろう。3月15日には、「真田丸」の第36回から最終回までを収めた、ブルーレイ&DVDが発売される。
迷い、悩み、そして戦った名将・真田幸村と、真田家の人々。そして、幸村と関わりながらも、それぞれの道を進んだ武将たち。「真田丸」の本放送終了から、約3カ月。豪華なキャスト陣が紡いだ戦国絵巻を、このタイミングで今一度振り返ってみるのもいいかもしれない。特典ディスクには堺を筆頭に、大泉、長澤、内野、草刈、そして、この物語を描いた脚本家・三谷幸喜のインタビューを収録。それぞれが「真田丸」への思いを語っている。
また、4月21日には、昨年末に4回に分けて放送された「真田丸」の総集編ブルーレイ&DVDも発売予定だ。特典には、三谷のオリジナルインタビューのほか、ドラマの城郭考証を担当した城郭考古学者・千田嘉博氏による大坂冬の陣オープンセットの解説とロケの模様などを収録。より深く、「真田丸」という壮大な物語を楽しめるはずだ。
「真田丸 完全版 第四集」ブルーレイ/DVD 各17,200円(税別)
発行:NHKエンタープライズ 販売元:ポニーキャニオン
特典映像(特典ディスク)オリジナルインタビュー(堺雅人/大泉洋/長澤まさみ/内野聖陽/草刈正雄/三谷幸喜) ※第壱集から第参集も発売中「大河ドラマ 真田丸 総集編」ブルーレイ8,600円&DVD7,600円(いずれも税別)
4月21日発売
発行・販売元:NHKエンタープライズ
特典映像 オリジナルインタビュー【番外編】三谷幸喜、徹底解剖! 千田嘉博先生(城郭考証)と巡る大坂冬の陣オープンセットとTHE MAKING OF SANADAMARU 大坂冬の陣オープンセットロケ