【ライブリポート】佐藤流司率いるThe Brow Beat、ワンマンツアーファイナルで見せた「進化」

2019年2月13日 / 16:14

 

The Brow Beat Live Tour 2019“Hameln”

 デビューからわずか5カ月で日比谷野外大音楽堂での単独公演を成功させ、とどまることない勢いで突き進むThe Brow Beatが2ndツアー「The Brow Beat Live Tour 2019“Hameln”」の最終公演を2月7日に豊洲PITで開催した。The Brow Beatは、2.5次元舞台や映像作品などを中心に活躍する俳優・佐藤流司がアーティスト「Ryuji」として、PENICILLINのHAKUEIをプロデューサーに迎えて結成したバンドプロジェクト。2019年1月1日に発売した2ndアルバム「Hameln」を引っさげて全国7カ所を回った今回のツアーは、バンドとしてのさらなる進化を感じさせる熱い公演となった。

The Brow Beat Live Tour 2019“Hameln”

 この日、開演前から熱気に包まれた会場は、SEの「Hameln」が流れると一気に爆発した。Ryujiの「Are You Ready?」という声とともに始まったオープニングナンバーは「光のアルペジオ」。大きな輝くシャンデリアに赤い布地のカーテンと、まるでどこかのお城にいるかのようなセットがオーディエンスを「Hameln」の世界へと引き込んでいく。「日本」「Hide and Seek」とアッパー曲でさらにボルテージを上げると、「今日がラストなんで悔いを残さないように盛り上がっていきましょう!」とRyujiの語りかけから「Brilliant Transparency」へ。続く「unlost」、「自分が大切だったものを思い出して、聞いていただければ」と紹介して始まった「ドミノ」では伸びやかな歌声でしっとりと歌い上げ、会場を酔わせた。

The Brow Beat Live Tour 2019“Hameln”

 その後、「今日も爆笑トークを繰り広げていこうと思います」と言い残してRyujiが衣装チェンジのためステージを降り、その場をCHIROLYNにバトンタッチ。CHIROLYNはハードルを上げまくった末のRyujiの退出に「あいつ、最悪」とボヤき、「うちの王子には、このツアーでもどんだけぶんまわされたか」と会場を笑わせる。“王子”待ちの間、CHIROLYN、そして鳴風、かどしゅんたろうによるセッションも聞かせた。白シャツにベストというスタイルでRyujiが戻ってくると、引き続き「爆笑トーク」コーナーに。「The Brow Beatは健全なバンドをめざしているんです。R2の未就学児OKでいくので…」とメンバーで「キレイなものしりとり」を行うことに。しかも、負けた人はモノマネをするという罰ゲーム付きだ。音楽を聞かせるときは、激しく、熱く魅せるのに、MCではときに観客も参加させて、ユーモアたっぷりなトークを展開するのもThe Brow Beatならではだ。ちなみに、このときの罰ゲームは、1回目がかどしゅんでマスオさんのモノマネを、2回目がRyujiで「細かすぎて伝わらないモノマネ よくいるYoutuber」と江頭2:50を披露し、爆笑をとっていた。

The Brow Beat Live Tour 2019“Hameln”

 一通り、トークでも会場を沸かせると、HAKUEIを呼び込み、途中にメンバーコールを挟みながら、「CLOWN」「OVER」「Snow White」とオーディエンスを熱狂させる。HAKUEIを送り出したあとは、さらに「Scarlet Syndrome」「ジセイノク」と怒涛の展開。「パラノイド・スター」では拡声器でシャウトし、本編ラストを「メビウス」で締めた。

 アンコールは、「命を大事にしようよって曲」とアナウンスされて始まった「睡蓮」からスタート。楽曲のラストではオーディエンスの「命は風に乗り旅をする 命は歌に乗り旅をする」という歌声が会場を包み、大きな感動を呼び起こした。続いて、CHIROLYNが所属するhide with Spread Beaverの「ever free」をカバー。そして、前日に歌詞を忘れたことが引っかかっているというRyujiの頼みで、特別に「ROCKET DIVE」も披露し、オーディエンスを大いに焚きつけた。その勢いのまま「Browbeat」と続き、会場に銀テープが舞う中、熱のこもったステージを締めくくった。

The Brow Beat Live Tour 2019“Hameln”

 歓声に応えて行われた2度目のアンコールは、恒例のドリンクタイムから始まった。ペリエを持ったHAKUEIが登場し、メンバー全員に注いで回って「乾杯!」。その後も、HAKUEIが「一人キレイなものしりとり」にチャレンジするなどラフな雰囲気でトークが進むも、その空気も曲が始まると一気に加熱する。Ryujiの「いけるか?」という煽りから「Black & Black」、そして「アイリス」でこの日のライブは幕を閉じた。

 メンバーがステージを降りた後、会場ではスクリーンにメンバーからのビデオメッセージが映し出され、6月8日の日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブ開催決定が発表された。ビデオメッセージの中でRyujiは「2年連続出られると思ってなかったんで、本当頑張りたいと思います」とコメントを寄せ、会場からは大きな歓声が上がった。

 この日のライブで、一番に感じたのは「進化」だ。前回のツアー、そして昨年の日比谷野外大音楽堂でのライブでは、「音で遊ぶ」とでも表現できそうなほど、楽しそうにロックしてみせたRyujiが、この日は「届ける」ことを意識していたように感じられた。オーディエンスと真正面から向き合って、「聞かせる」。その姿勢は全曲に渡って感じられ、だからこそ、ロックな楽曲はより勢いを持って胸を震わせ、バラードでは感動を呼び起こした。The Brow Beatはデビューわずか2年目。今後もさらなる「進化」を遂げることだろう。まずは、6月8日の日比谷野外大音楽堂でどんな「進化」が見られるのか、楽しみに待ちたい。

(取材・文/嶋田真己)

 この日のライブを収めたDVD「The Brow Beat Live Tour 2019 “Hameln” at Toyosu PIT 2019.02.07」は6月5日発売。The Brow Beat日比谷野外大音楽堂ワンマンライブは6月8日に開催。

公式サイト https://thebrowbeat.jp

公式ツイッター @The_Brow_Beat

The Brow Beat Live Tour 2019“Hameln”

 


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

生駒里奈が語る俳優業への思い 「自分ではない瞬間が多ければ多いほど自分の人生が楽しい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年11月20日

 ドラマ・映画・舞台と数多くの作品で活躍する生駒里奈が、ストーリー性のある演劇的な世界観をダンスとJ-POPで作り上げるダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新作、梅棒 19th GIFT「クリス、いってきマス!!!」に出演する。生駒に … 続きを読む

史上最年少!司法試験に合格 架空の設定ではないリアルな高校2年生がドラマ「モンスター」のプロデューサーと対談 ドラマ現場見学も

ドラマ2024年11月17日

 毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今 … 続きを読む

八村倫太郎「俊さんに助けられました」、栁俊太郎「初主演とは思えない気遣いに感謝」 大ヒットWEBコミック原作のサスペンスホラーで初共演『他人は地獄だ』【インタビュー】

映画2024年11月15日

 韓国発の大ヒットWEBコミックを日本で映画化したサスペンスホラー『他人は地獄だ』が、11月15日から公開された。  地方から上京した青年ユウが暮らし始めたシェアハウス「方舟」。そこで出会ったのは、言葉遣いは丁寧だが、得体のしれない青年キリ … 続きを読む

「光る君へ」第四十三回「輝きののちに」若い世代と向き合うまひろと道長【大河ドラマコラム】

ドラマ2024年11月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。11月10日に放送された第四十三回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)の譲位問題を軸に、さまざまな人間模様が繰り広げられた。  病を患い、視力と聴力が衰えた三条天皇に、「お目も見えず、お耳 … 続きを読む

「ローマの共和制の問題点は、今の世界が直面している数々の問題と重なる部分が多い」『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』コニー・ニールセン【インタビュー】

映画2024年11月15日

 古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いに身を投じる男の姿を描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』。巨匠リドリー・スコットが監督し、アカデミー賞で作品賞や主演男優賞など5 … 続きを読む

Willfriends

page top