【インタビュー】三池崇史「理不尽だけど、どんな人の人生もこんなものなのでは」 監督作『神さまの言うとおり』を語る

2015年5月12日 / 16:18

 大人気デスゲームコミックを映画化した『神さまの言うとおり』は、突然教室に現れただるまが、生徒たちを死の遊戯に巻き込んでいく。三池崇史監督が、福士蒼汰をはじめ、染谷将太、神木隆之介、山崎紘菜、優希美青ら、有望な若手俳優の魅力を最大限に引き出した。ジャンルを問わずヒット作を連発する三池監督が、ブルーレイ&DVDの発売を記念して、あらためて本作の魅力について語った。

 

「好きなところを好きな時に好きな人と楽しんでもらえたらうれしい」と語った三池崇史監督

「好きなところを好きな時に好きな人と楽しんでもらえたらうれしい」と語った三池崇史監督

-理不尽で不条理な世界観を持った物語ですね。

 どんな人の人生も2時間ぐらいの映画の長さにぎゅーっと凝縮すると、こんなものだと思います。ものすごい早送りで人生を見るとこうなる。だからこれは特殊な人生ではなく、どなたでも経験することばかりだと思います。

-そんな中に登場するだるまやこけしなどが、さらに不思議な世界を作り出しています。

 死の遊戯のつらさをこれらのキャラクターが紛らわせています。観客の視点を下げる効果があって、怖さと面白さが残るんです。どこにでもあるような、あいまいなものを通して、人生をすごくリアルに描いている漫画だと思います。

-福士さんには俳優としてどんな印象を抱きましたか。

 彼は頭が良いし、動物として強いと感じました。例えば監督に対して、その監督が過去に撮った作品のどれが好きだというような話をする俳優よりも、撮影現場でいろいろと提案したり考えたりする監督のことを面白いなと感じたり、普段要求されることをされないことに対して不安を抱きながらも、それを楽しみに感じてくれたりするような俳優の方がうまくいきます。

-福士さんとはそんな何かを感じ合う関係が築けたということですか。

 そうですね。だけど、実は若い俳優と役についてはあまり語り合わないんですよ。語り合うと、彼がイメージしているものにおじさんの感覚が混ざっちゃうから。こちらの言うことに彼が「おじさんなりに長く生きてきたので、なるほど一理ある」と思ってしまうと、彼のピュアさが汚れてしまいますから(笑)。

-今回は特殊効果の編集機を現場に持ち込んで、撮影と並行して編集もしたそうですね。

 ええ。撮影中って、照明のライティングの間とか、結構空きの時間が生まれるんですよ。現場に編集部がいて編集機があれば、その間に編集ができてしまう。ただ、それは過去と未来の作業を同時にやっているようなものなので監督は大変ですけど。若い俳優たちは面白がって見にきます。例えばおととい撮影したものをもう編集しているわけで、しかも現場でですから(笑)。ライブ感があって、良かったですね。

-監督はこの映画をどのように見てもらいたいですか。

 DVDを手に入れた人が、その円盤の中にある作品のオーナーになるわけですから、好きなところを好きな時に好きな人と楽しんでもらえたらうれしいですね。楽しむためにはとてもいい作品ではないかと思っています。(聞き手=エンタメ批評家・阪清和)

映画『神さまの言うとおり』のブルーレイ&DVDは13日からレンタル開始、20日から発売開始。

【三池崇史(みいけ・たかし)】映画監督。1991年に監督デビュー後、さまざまなジャンルの話題作を発表。『十三人の刺客』『藁の盾 わらのたて』などで国際的な評価も得ている。


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(2)大阪下町に生まれて

舞台・ミュージカル2025年8月28日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼講談は落ちない  「今日の話はオ … 続きを読む

原田琥之佑「この映画は、何でもあるけど、何にもないみたいなところが一番の魅力だと思います」『海辺へ行く道』【インタビュー】

映画2025年8月26日

 海辺の街に暮らす14歳の美術部員と仲間たちに起きたちょっと不思議なひと夏の出来事を小豆島でのロケで描く、横浜聡子監督の『海辺へ行く道』が8月29日から全国公開される。本作で主人公の高校生・奏介を演じた原田琥之佑に話を聞いた。 -最初に脚本 … 続きを読む

上田竜也&橋本良亮、舞台初共演を通して「絆はより強固になる」 音楽劇「謎解きはディナーのあとで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年8月26日

 シリーズ累計500万部を突破する、東川篤哉による大ヒット小説「謎解きはディナーのあとで」が、舞台オリジナルストーリーで音楽劇として上演される。原作は、毒舌執事とお嬢様刑事が繰り広げる軽快なやりとりと本格的な謎解きが話題となり、2011年に … 続きを読む

青山貴洋監督「問診シーンが最大の課題に」日曜劇場『19番目のカルテ』【インタビュー】

ドラマ2025年8月25日

 体の不調を感じていても、何科を受診すべきか分からない…。そんな悩みを抱える人は少なくない。そうした現代の医療課題に向き合う存在が「総合診療医」だ。日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS系)は、まさにその最前線で患者と向き合う医師たちの姿を描 … 続きを読む

中園ミホ 連続テレビ小説「あんぱん」は「やなせたかしさんが書かせてくださった」執筆を終えた脚本家が物語を振り返る【インタビュー】

ドラマ2025年8月22日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルにした柳井のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)夫婦の戦前から戦後に至る波乱万丈の物語は、いよいよクライマックスが近づいてきた。このタ … 続きを読む

Willfriends

page top