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NHKで好評放送中の大河ドラマ「どうする家康」。江戸幕府を開いた徳川家康(松本潤)の生涯を描いた物語は、いよいよクライマックスを迎えつつある。多数の家臣たちに支えられながら天下統一への道を歩んできた家康だが、その中でも文武両面に優れ、“徳川四天王”の一人に数えられたのが、“小平太”こと榊原康政だ。演じる杉野遥亮は、一足早くクランクアップ。それから間もなく、大河ドラマ初出演となった1年半に及ぶ撮影を振り返ってくれた。

「どうする家康」(C)NHK
ほっとした気持ちが大きいです。クランクアップ直後の2日間くらいは、作品の世界観に引きずられている感じでしたけど、今は落ち着いてきました。この1年半、他の作品をやりながらも、ずっと頭の片隅に小平太のことがあったので、それが少し軽くなった気がします。
全然違いますね。最初は史実にとらわれ過ぎて、「こう見せなきゃ」と思い込んでいる部分が大きかったんです。といっても、どういう人物なのか輪郭も見えないし、終着点もわからない中、緊張や不安もあって意識がやや散漫になってしまって。でも、ある時期から、今の自分とリンクさせながら作っていくのが、今回の僕の小平太だな、と考えが変わってきたんです。同時に、成長させつつ、年齢による変化も表現しなければいけないので、その辺は自分なりに考えて。ただ、大事なのは、どう見せるかよりも、内面から何が出てくるかだな、と。最終的には、丁寧に気持ちを作ることに集中してお芝居を楽しめれば、というふうに考えが変わっていきました。
なかなか思い通りにいかず、正直、悔しい瞬間もいっぱいありました。でも、そういう気持ちを、「もしかしたら小平太にもそういう瞬間があったかも」と、お芝居とリンクさせていくようにしたんです。その結果、自分のお芝居に100%満足できたわけではありませんが、最終的に楽しく終われたので、その点に関しては満足しています。
実はつい最近、ようやく榊原康政のお墓に行くことができたんです。普通は皆さん、撮影に入る前に行くものかもしれませんが、僕は最初、自信がなくて不安でいっぱいだったので、気軽にあいさつに行けないな、と思っていて。でも、終わったとき、「いい仕事ができた」という充実感と共に、「ありがとうございます。お世話になりました」という気持ちが湧いてきたので、ようやくお参りに行くことができました。
松本さんとのお芝居が楽しく、自然と康政に入っていける感覚がありました。正直、僕自身がうまく集中できず、役に入っていきづらいときもあったんです。そんなときでも、松本さんの姿を見ると、やりやすくなることがあって。そういう意味では、すごく助けていただきました。
小平太の内面の描写は少なかったんですけど、殿に対しては徐々に忠義を尽くしていく人だと思っていたので、その関係の変化がきちんと見えたらいいな、と。最初は「殿」というより、友だちや少し年上の先輩、みたいな感覚だったんです。でも、小牧・長久手の戦いあたりから、やり取りにヒリヒリするような緊張感が出てきて、ちゃんと「殿」だと思えて。当時の人が背負っていたものと同じものを、松本さんも背負っているようで、すごくリアルに「殿」に見えてきました。

「どうする家康」(C)NHK
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