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ミュージカル『テニスの王子様』(以下、テニミュ)の最新公演、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 前編の東京凱旋公演が9月19日〜29日に上演。青春学園中等部と立海大附属中学校による全国大会決勝戦の戦いを描く本公演は、これまでに東京、大阪、愛知、福岡、宮城と全国を回ってきた。青学(せいがく)黄金(ゴールデン)ペア・大石秀一郎役の江副貴紀、菊丸英二役の田口 司に、公演の見どころやゴールデンペアが培ってきた絆、そして“最後のダブルス”にかける熱い思いを聞いた。
江副 最初は常に必死でしたが、だんだんといい意味でも肩の力が抜けてきました。試合中や2人の歌の中でも「ここをこうしてみよう」と、演出家さんと相談して熱くやっています。
田口 それで熱量が上がったりもしますし、最初と比べるとだいぶ変わっていると思います。せりふが少ないと表現が難しくて、ラリー中の声や「いくぞ!」という感じも表現してやってみようと話してきました。
江副 僕ら、そんなに組んでいるんですね。黄金(ゴールデン)ペアを組む前から2人でいることが多かったので、組んでから特別な“2人”になったという感覚はないんです。数を聞くとびっくりするけど、2人でいるのが当たり前なので。
田口 そんなにやりましたか。友達って最初の頃は一緒にいる時間がすごく多いけど、でもそれはもう一通り過ぎてしまって、一緒にいるのが当たり前すぎるというか。
江副 そこは負けないと思います。
田口 負けたくないです。それまでずっと一緒にやってきた貴紀と、大石・菊丸の役でやれると最初に決まった時はうれしかったので。
江副 前から一緒にいるから、曲中でも大石・菊丸の絆と僕らの絆が重なる部分も結構あります。やっていくにつれて増えていって、ダブルスを組むことになったコンテナのシーンを想像しながら、僕ら2人が初めて会った時のことも想像して。毎回、お互いに分かるんです。「こいつ、いま泣きそうだな」って。
田口 毎回泣きそうになっているんですよ。目が潤んでいるから、それをもらっちゃいそうになる時もたまにあって。お互い様です。
江副 いまを一生懸命やろうと、あまり考えないようにしていましたが、ふと考えるとすごく寂しいです。今回も最初のせりふですごく泣きそうになります。終わるっていう感覚がまだ信じられないです。終わってしまうことは分かっているんですけど、なかなか。
田口 先日の大阪公演の最後の方で、歌っている最中にそれがふっと頭をよぎって泣きそうになりました。まだ全然早いんですけど、でも終わりが近づいてくると寂しくなります。多分ここからもあっという間なんだろうな。東京凱旋をやって、大運動会をやって気付いたらもう後編が始まって。東京凱旋でも泣きそうです。
田口 頼れるようになりました。最初は正直、頼りがいがなくてこの大石大丈夫かなと思っていたんですけど、稽古して公演を踏むにつれて、だんだん副部長らしくなってきました。スイッチが入って大石になった瞬間に副部長になって、周りを支えるし心配する。だからついていこうと思える部分です。でもそれは大石秀一郎になった時の貴紀であって、普段の貴紀は普通に頼りないです(笑)。
江副 僕らはずっと友達だったので、最初は司と菊丸を重ねてしまう部分がすごくありました。でも四天宝寺公演から変わって、菊丸がすごくかわいく見えるようになりました。やっている時は菊丸にしか見えないです。怒っている菊丸、落ち着いている菊丸、かわいい菊丸、いろいろな表情を見せてくれるようになりました。大石として、楽しいです。
田口 いや、恥ずかしい(笑)。