【2.5次元】舞台「文豪ストレイドッグス 三社鼎立」インタビュー 鳥越裕貴&多和田任益&中屋敷法仁「パフォーマーとスタッフとお客さまとの三者による鼎立」

2019年6月3日 / 18:53

 「ヤングエース」(KADOKAWA)で連載中の朝霧カフカ原作、春河35作画による人気漫画『文豪ストレイドッグス』。そのテレビアニメ版を原作とした舞台シリーズの第3弾となる「文豪ストレイドッグス 三社鼎立」が6月8日から開幕する。本シリーズは、架空の都市であるヨコハマを舞台に、文豪たちが繰り広げる異能力アクションバトルをプロジェクションマッピングと演劇的手法を用いて描き、大好評を博している。今回は、中島敦役の鳥越裕貴、太宰治役の多和田任益、演出の中屋敷法仁氏に、シリーズの魅力や、本作の見どころなどを語ってもらった。

(左から)太宰治役の多和田任益、演出の中屋敷法仁氏、中島敦役の鳥越裕貴

-演劇的な手法で見せる「異能力」などの力やアクションが、見どころの一つだと思います。演出するに当たってどのようなことを考えていますか。

中屋敷 とにかく俳優さんたちが作品を面白くするために心と体を惜しまずに使ってくれているのが一番です。みんな文句を言わずにやってくれています(笑)。

鳥越・多和田 文句なんか何もありませんよ(笑)。

中屋敷 僕のどうでもいいアイデアからとんでもないプランまで、みんながすごいスピードとエネルギーで返してくれるので、どんどん作品のスケールが大きくなってきています。だから、俳優さんの力を信じながら作っています。

-お二人から見た中屋敷さんの演出の魅力は?

鳥越 中屋敷さんは演劇の奇才だと感じています。稽古で、これは面白いかなと思ってやったときに一番に笑ってくれるのが中屋敷さんなんですよ。「これで笑ってくれるのか!?」というところで笑ってくれるんですよね。

多和田 ちゃんと反応をいただけますよね。中屋敷さんがいつもニコニコしてくださっていることが、このカンパニーの空気感をさらに良くしています。中屋敷さんの思考は良い意味で変だし、面白いから、みんなやりたいと思っていますよね。

中屋敷 でも、俳優さんたちの「自分が一番面白くありたい」という欲がすごいから。

鳥越 いい意味でも、悪い意味でも貪欲ですよね(笑)。

-演出家から見た鳥越さんと多和田さんの魅力を教えてください。

中屋敷 僕は漫画版やアニメ版もすごく好きなんですけど、共通してこの2人がアニメの絵に勝っている瞬間があるんですよ。カッコいいところとギャグのところの落差もできていて、急に二頭身になったり、急に八頭身になったりして見えるんです。アニメの敦と太宰の感じがよく出ています。

-大好評のシリーズですが、どのような点が観客を引き付けていると考えていますか。

鳥越 原作の人気はもちろん、スタッフさんがキャラクター造形をすごく寄せてくださっているし、そこに演劇としての面白さがギュッと詰まっている作品です。中屋敷さんを筆頭に、役者さんとスタッフさんが積み重ねたものがいい形でつながったと感じています。

多和田 表現が大きな魅力の一つですね。「異能力」なんかは映像だけでも表現できるんじゃないかと思っていたんですけど、こんなに生身の体を使うのかと。この作品にとって、アンサンブルの皆さんが大きなキーになっていると思います。体による表現力の可能性を感じられますし、それが見ているお客さんのツボをついてくれているのかなと思います。

中屋敷 文豪と原作者、原作と漫画、そしてアニメとのコラボというかけ算が続いて、舞台化でも、俳優とダンサー、アクションと映像とお互いの素晴らしいところを掛け合わせて作られています。僕が引っ張っているようで、みんなに助けてもらっているところもたくさんあって、そういう現場の全体的な豊かさみたいなものが伝わっているんじゃないでしょうか。

 
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