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故伊丹十三が才能を発揮した分野において、優秀な実績を上げた者に贈られる「第9回伊丹十三賞」贈呈式が17日、東京都内で行われ、受賞者の星野源が出席した。
星野は「音楽、エッセイ、演技のジャンルを横断し、どこか息の詰まる時代に、エンターテイナーとして驚くような風穴をあけてしまった星野的表現世界に。」を理由に受賞した。
小さいころからテレビや映画で伊丹作品に触れてきたという星野は、20代半ばごろの「大人になってしっかり触れる伊丹さんの映画体験」をへて、改めて「なんて面白いんだと痛感して、そこから僕の伊丹さんブームが訪れた」とエッセイや映画作品を見直したという。
星野は「中学1年の時から演劇と音楽を始めて、高校3年生ぐらいに文章を書ける人間になりたいと、それぞれ勝手に活動を始めていった」と振り返り、「取材の現場に行くと『音楽の人でしょう』と言われ、うんうん、間違っていない。音楽の現場に行くと『芝居の人でしょう』と言われて、どの現場に行ってもあぶれてしまう感覚。自分の居場所がないなとずっと思っていました」と葛藤があったことを明かした。
その後「伊丹さんが遠くに灯台のように、サーチライトのように明かりを照らしてくださっていて。だんだんと伊丹さんの活動を見ていて、『君は君の場所を作れよ』と、そう言われているような感覚がありました」と啓示を受け、「とにかく好きなことをしよう、一人前になりたいという気持ちでどの仕事もやっていたら、こんな素晴らしい賞を頂くことができました。伊丹さんに『それが君の場所だよ』と言われているような気がしてすごくうれしかったです」と喜びを語った。
最後に星野は「うれし過ぎて今日はあまり寝られないと思います」とはにかみ、伊丹十三記念館の宮本信子館長は「大きな大きな才能をお持ちの星野さん。今度記念館にいらしてデートしましょうねと約束したの。いつか分かりませんけど近いうちに」と笑わせた。
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