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NHKの大河ドラマ「真田丸」で、主人公真田幸村(堺雅人)との最後の戦いに臨む徳川家康(内野聖陽)の嫡男、徳川秀忠を演じている星野源。偉大過ぎる父を持った2代目の悲哀と現代にも通じる新世代の気概を語る。
街中で声を掛けてもらうことがより多くなりました。「秀忠」って役名で呼ばれることもあって(笑)。
真田信之(大泉洋)を除けば、物語の中で一番長く生き残って、次の世代を作っていく中心人物なので、そこを見せられたらいいなと思いました。父や真田家の人とは違って、戦国のマナーになじめない感じが出したいなと。重要な役割ですし、撮影もすごくわくわくしました。
三谷(幸喜)さんからは「時代劇みたいなしゃべり方をしないで」と言われていましたし、次世代の人間というふうにするために、普通にしゃべるように意識したら、画面での見え方が独特になった気がします。
僕は、そういう役がすごく多い(笑)。でも、できることならそれをちゃかさないように演じないといけないなと思います。ヒーローじゃなくても、その中にある格好良さとか人間らしさが共感していただけるポイントになったりするので、ダメダメで演じてばかにするのではなく、マジでやっているんだけど、周りの状況が違うからおかしく見えるというふうにしたいと思っています。
急に覚醒して人格が変わるほど成長するのではなく、折り合いをつけながら一歩一歩進んでいくタイプの成長だと思っています。あれだけの父上がいる中でよく耐えたし、励まされますよね。
戦場に行った父を急いで追いかけるシーンで、「将軍はもっと遅くていい」と父から怒られるんですけど、同時に将軍としても認められるんです。それまで父上の一部だったのが、お芝居をしながら急に突き放される感じがして、秀忠もうれしかったんじゃないかなと感じたんです。認められたことで、逆に父を見て学ぼう、父から盗もうという気になって、プライドを捨ててたくさん質問し始める。自分が認められると相手を受け入れられる。その時が変わる瞬間だったのかなと個人的には思っています。
電話で三谷さんに「今回は偉大な人の息子の苦悩が裏テーマとしてあります。いろんな2代目が出てくるけど、秀忠は僕にとっては理想の2代目なんです」というお話をしていただきました。その後、成長が目に見えてくるあたりの回を見られた三谷さんから「ものすごく良かった。いい2代目になってきましたね」というメールをいただきました。
内野さんは例えば「このシーンは台本ではさらっとしているけど、非常に緊張感があるところだから、もっと緊張感を高めていこう」とか、その都度言ってくださいました。近藤さんはとにかくチャーミングで、「君はマイケル・ジャクソンが好きなんやな。僕のリアルタイムはプレスリーや」なんて会話もしました(笑)。近藤さんはビートルズがはやった時に、テレビ局に掛け合ってイギリスまでドキュメンタリーを撮りにいったという貴重な話もしてくださいました。お二人共、上から言うのではなくて、僕たちと同じ目線に立っていただける方です。
「真田丸」の撮影現場に行ったら「逃げ恥」の話をされ、「逃げ恥」の現場に行ったら「真田丸」の話をされるというすごく幸せな状況にいます。面白いと思って作っている物を面白いと言ってもらえて、そこに数字がついてくるというのは本当に幸せなことだと実感しています。
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