花も実もある人気俳優 大活躍、片岡愛之助の全て

2014年3月31日 / 17:30

 松嶋屋(片岡家)のもとで修業を重ね、1992年、19歳の時秀太郎の養子として入籍。この年、大阪中座(のちに廃座)の『勧進帳』の駿河次郎ほかで六代目片岡愛之助を襲名した。正式に梨園の名門片岡家の俳優となり、父の秀太郎や叔父で当代の十五代目仁左衛門の薫陶を受け、松嶋屋の芸、上方の芝居を継承。さらに荒事の芸、江戸(東京)歌舞伎、舞踊にと分野を問わず、オールラウンドの活躍を見せている。

 『義賢最期』(1日放送)は江戸時代中期の通し狂言『源平布引滝』の二段目で、木曽義賢(きそのよしかた)の壮絶な最期を描いている。愛之助は、源氏再興を願う義賢の気持ちをハラに据え、見どころの大詰の立ち回りも見事に演じる。組んだ戸板の上から落ちる“戸板倒し”、素襖大紋の姿で仁王立ちとなり、屋体から階段を滑り落ちる“仏倒し”。危険な演技によって、病身ながら武士の意地を守る義賢の壮絶な最期を、重厚さ、哀切さを込めて表現しきった。

 『新口村』(2日放送)は、柔らかい味を演技の魅力とする上方和事の代表作『恋飛脚大和往来』の「封印切」の場に続く芝居だ。一面の雪景色を背景にした愛之助の二枚目ぶりがしっとりと光る。梅川とペアになった黒に梅の裾模様の衣裳姿、糸立てをとったときに見せる愁(うれ)いの表情など、道行の芝居らしい美しさ、華やかさ、哀愁感があり、忠兵衛役はやがて愛之助の持ち役の一つになるだろう。

 『鳴神』(3日放送)は歌舞伎十八番の一つで、江戸歌舞伎が生んだ荒事の芝居。平成19年7月の大阪松竹座公演で急きょ代役を頼まれた愛之助が、主人公の鳴神上人を初役で勤め、評価を得た思い出の深い古典の演目だ。雲の絶間姫とのせりふのやりとりに緩急をつけ、欺されたと知ってからの、所化(坊主)との立ち回り、派手な飛び六方の入りなど、荒事の魅力をたっぷりと演じている。

 『羽衣』(4日放送)は西欧演劇の影響を受け、典雅な舞踊の創造が叫ばれた明治時代の作品で、天女の役を演じる立女方の坂東玉三郎に起用されて舞台に立った舞踊劇である。愛之助は細い釣り竿で漁師の役であることを表し、天女が舞のため着替える間、羽衣伝説に基づく幻想的なこの曲に合わせ、優雅で、しっとりとした踊りを見せる。大歌舞伎の俳優が大切にする、行儀の良さが見どころだ。

 花のある芝居、実のある演技を見せる片岡愛之助。大歌舞伎のほかにも活動の場が広がる。上方の若い俳優との「平成若衆歌舞伎」や、徳島・鳴門市での「システィーナ歌舞伎」など、次代のための新作歌舞伎を創造し、上方舞の楳茂都流四世家元として舞踊の舞台に立つ。歌舞伎のほかでも華々しい活躍ぶりだ。高視聴率を獲得した「半沢直樹」(TBS系)では国税官・黒崎を演じるなど、テレビドラマや映画などでも個性的な魅力を発揮している。

文◎朝田富次

 

【放送情報】衛星劇場 4月放送<片岡愛之助特集>

浅草歌舞伎2014~片岡愛之助特集~

◎『源平布引滝~義賢最期』(テレビ初放送)

2014年1月 浅草公会堂 出演:片岡愛之助、中村壱太郎

4月1日(火)後4.30~

 

◎『恋飛脚大和往来~新口村』(テレビ初放送)

14年1月 浅草公会堂 出演:片岡愛之助、中村壱太郎

2日(水)後4.00~

 

特選歌舞伎~片岡愛之助特集~

◎『鳴神』

08年2月 博多座 出演:片岡愛之助、中村七之助

3日(木)後4.00~

 

◎『羽衣』

07年10月 歌舞伎座 出演:坂東玉三郎、片岡愛之助

4日(金)後4.00~

 

◎『片岡愛之助 SPインタビュー』(2014年)

出演:片岡愛之助

16日(水)後6.15~

 

◎映画『宮城野 ディレクターズカット版』

出演:毬谷友子、片岡愛之助

6日(日)前11.30~

 

◎衛星劇場ホームページで「片岡愛之助 特設ページ」開設

放送情報をはじめ、盛りだくさん!

「片岡愛之助 特設ページ」http://www.eigeki.com/special/kataoka-ainosuke

 

◎”歌舞伎を毎日テレビで!”最新舞台から秘蔵映像、シネマ歌舞伎まで、

衛星劇場は毎月20本以上の歌舞伎を放送!!

「衛星劇場ホームページ」http://www.eigeki.com/

ご視聴はスカパー!またはお近くのケーブルテレビまで。

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