『小さいおうち』、歌舞伎座で上映　 花道歩いた山田監督「面食らっています」

レッドカーペットと舞台あいさつに登壇した山田洋次監督

　映画『小さいおうち』の歌舞伎座プレミア試写会が２６日、東京都内の同所で行われ、出演者の松たか子、黒木華、吉岡秀隆、橋爪功、吉行和子、室井滋、中嶋朋子、ラサール石井、秋山聡、市川福太郎、夏川結衣、小林稔侍、倍賞千恵子と山田洋次監督が出席した。

　本作は、２０１０年に第１４３回直木賞を受賞した作家・中島京子さんのベストセラーを映画化。昭和初期に生きた女性・時子（松）にまつわる“恋愛事件”を軸に、お手伝いさんのタキが封印したその時の秘密が、６０年の時を経て平成の時代にひも解かれる。５０年以上にわたって家族の絆を描いてきた山田監督が、本作では“家族の秘密”に迫る。

　新開場後の歌舞伎座で映画が上映されるのは本作が初めて。山田監督は松、倍賞と共に花道を通ってステージに登壇。「まことに晴れがましい登場となって面食らっております」と語る一方、「新しい歌舞伎座で初めての映画上映に僕の作品が選ばれたことを、光栄に思っています」と喜んだ。

　倍賞は「先ほど監督は、花道を歩くのを“俺は嫌だ”と、一度断ったんですよね。でも監督は（両国）国技館でもあいさつなさったことがあって、“花道制覇”ということで歩いていらしたんです」と舞台裏の出来事を明かした。また、山田監督は「歌舞伎座にふさわしい映画であり、今日集まってくれた皆さんの期待を裏切らない作品であることを願うのみです」とメッセージを送った。

　映画は来年１月２５日から全国ロードショー。