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(左から)近藤明男監督、水野真紀、宮本茉由、奥野壮 (C)エンタメOVO
映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』初日舞台あいさつが4日、東京都内で行われ、出演者の宮本茉由、水野真紀、奥野壮と近藤明男監督が登壇した。
本作は、太宰治の小説『斜陽』の執筆75周年を記念して製作。主役のかず子を宮本、かず子の年の離れた恋の相手で作家の上原を安藤政信、“最後の貴婦人”と称されるかず子の母親を水野、かず子の弟で、上原を師匠と仰ぐ作家志望の直治を奥野が演じた。
映画初出演で初主演となった宮本は、大勢の観客を前に、「一つの作品が完成して、皆さんに見ていただけることって奇跡なんだなと、今、感無量の気持ちです」と笑顔であいさつした。
年上の作家との道ならぬ恋に溺れる役の宮本は「戦後のお話なので、今の私たちには、考えられないような感情の中で生きてきた人。同じ年ではありますが、やはり(自分とは)違う女性だと思って、そういうことをちゃんと背景に考えながら、一つ一つ大事にシーンを演じました」と撮影を振り返った。
水野は「私演じた都貴子は元華族ですが、華族制度は戦後まもなく廃止されましたので、本当の華族の方にお会いしたことはありません。ただ今はインターネットで情報を集められる時代なので、華族のお嬢さま方が語ったインタビュー特集をまとめた本を読んだり、実際に(劇中の)私たちが住んでいた、文京区の西片町にあるお屋敷街の跡地を訪れたりして、私なりに都貴子という女性のイメージを膨らませながら臨んでおりました」と役作りについて語った。
やがて破滅へと向かう直治を演じた奥野は「今まで演じた役の中で、一番シリアスな展開が降り注ぐ役どころ。複雑な感情をどう表現しようか考えながら演じましたが、しんどかったです」と苦笑した。
それでも「当時の衣装やメークが助けになったし、監督の『よーいスタート!』という声と、カチンコの音で直治のスイッチが入る感覚でした」と振り返った。
劇中、直治の頬をたたくシーンがあった宮本が「きれいな顔にちょっとビンタはしづらかったです」と明かすと、奥野は「全然…痛かったです」と素直に返して笑わせた。
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