ミュージカル「ラ・マンチャの男」制作発表記念会見が16日、東京都内で行われ、出演者の松本白鸚と松たか子が登壇した。
本作は、ミゲール・デ・セルバンテスの『ドン・キホーテ』を原作にしたミュージカル。作者セルバンテスが、劇中劇として田舎の郷士アロンソ・キハーナと、キハーナが創り出した人物ドン・キホーテを演じるという、三重構造で物語が進行する。
白鸚は26歳の時の日本初演版から主役を務め、以降、ライフワークとしてセルバンテスとドン・キホーテを演じ続けてきたが、今回の公演が最後の出演となる。
白鸚は「男は、負けると分かっている戦いでも、時に戦わなければならないというのがこの作品のテーマですが、50年以上演じ続けてきたので、自分の生き方とそのテーマが同じように感じられることがあります。俳優は、お客さまの悲しみや苦しみを、希望や勇気に変えて差し上げるのが務めだと思っています。体は動かなくなりましたが、メッセージだけでも伝えたいと思います」と思いを語った。
ドン・キホーテが慕うアルドンザ役を演じる松は、久しぶりの親子舞台共演に向けて、「全部を捧げて、自分のベストを尽くしたいと思っております」と意気込みを語った。
また、白鸚は11月28日に亡くなった歌舞伎俳優で弟の中村吉右衛門さんについて、「別れというものはいつでも悲しいものです。たった一人の弟でしたから」と悲痛な胸の内を明かした。
その上で、「いつまでも悲しみに浸ってはいけないと思います。それを乗り越えて、はね返して、いろいろな思い出はありますが、『見果てぬ夢』を歌いたいと思います」と語った。
舞台は、2022年2月6日~28日に都内・日生劇場で上演。