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『シン・ゴジラ』の演技で女優助演賞を受賞した市川実日子
「第71回毎日映画コンクール 表彰式」が15日、神奈川県川崎市で行われ、「日本映画大賞」を昨年大ヒットした『シン・ゴジラ』が受賞。代表して本作を手掛けた樋口真嗣監督が登壇した。
手のひらを上に向けた“ゴジラポーズ”で登場した樋口監督は、劇中のシーンを振り返り「川崎の街には、本当に『シン・ゴジラ』で大変お世話になりました。お世話になった割には、東京の生贄(いけにえ)として“撃ち込み放題”という感じで(描いてしまって)」と申し訳なさそうにコメント。
「悪い扱いをしたにも関わらず温かく迎えてくださりありがとうございます。恩を仇で返すようなことをして申し訳ありません」と冗談めかしつつ、「工業地帯など我々の大好物もあるので、これからも撮影でご協力をよろしくお願いします」と“川崎愛”をアピールした。
「毎日映画コンクール」は歴史ある映画賞として、演技、作品はもちろん、撮影や美術、録音などの映像スタッフ、日本映画史を代表する女優・田中絹代の名を冠する賞など、幅広い部門を設け、顕彰を続けている映画コンクール。
今回、日本映画大賞に輝いた『シン・ゴジラ』は大賞のほか、女優助演賞(市川実日子)、美術賞(林田裕至・佐久嶋依里)も受賞し3冠の快挙となった。
市川は、本作で環境省の若手官僚の尾頭ヒロミを熱演。公開後、行く先々でいろんな人たちから「映画見たよ」「面白かったよ」などと声を掛けられたことを明かし、「その時の皆さんの顔が子どものようにワクワクした顔で…。自分が参加した作品に対してこんなふうに投げ返してきてくれる、こんな温かいキャッチボールってあるんだなと、とてもうれしい気持ちになりました」と感謝を述べた。
いわゆる“リケジョ”を演じるに当たっては「最初の本読みの段階で、監督から『テキパキ話してください』、あと『早口で』と言われました」と指示があったことを告白。普段のしゃべり方は「すごいゆっくりなんです」と明かしつつ「九官鳥のように道を歩きながら(しゃべったり)、家に居る時もずっと(せりふを)繰り返していました」と役作りの苦労を振り返った。
「本番ではNGは出なかったの?」という問いには「出ましたかしら…?」とかわいらしく首をかしげて、会場の笑いを誘った。
作品が圧倒的な支持を得た理由については「やっぱりゴジラが美しかったこと。後は“現実”対“虚構”ということですが、今の日本の東京に住む方が日常レベルで感じているようなことが描かれているからだと思います」と分析した市川。初めて台本を読んだ時は臨場感に驚いたそうで「私も、3.11の時にテレビで(政府関係者が)会見しているのを見ていましたが、あのテレビの画面の裏側って本当にこうだったんじゃないかな…と感じましたね」と率直な思いも語った。
ゴジラ(左)と樋口真嗣監督
主な「第71回 毎日映画コンクール」受賞作品・受賞者は以下の通り。
【作品部門】
日本映画大賞:『シン・ゴジラ』
日本映画優秀賞:『この世界の片隅に』
外国映画ベストワン賞:『ハドソン川の奇跡』
【監督賞・脚本賞】
監督賞:西川美和『永い言い訳』
脚本賞:向井康介『聖の青春』
【俳優部門】
男優主演賞:本木雅弘 『永い言い訳』
女優主演賞:筒井真理子『淵に立つ』
男優助演賞:香川照之『クリーピー 偽りの隣人』
女優助演賞:市川実日子 『シン・ゴジラ』
スポニチグランプリ新人賞:毎熊克哉 『ケンとカズ』
スポニチグランプリ新人賞:中条あやみ 『セトウツミ』
田中絹代賞:松原智恵子
【アニメ部門】
アニメーション映画賞:『君の名は。』
大藤信郎賞:『この世界の片隅に』
【TSUTAYA×Filmarks映画ファン賞】
日本映画部門:『君の名は。』
外国映画部門:『ズートピア』
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