歌舞伎俳優の尾上菊之助が10日、都内で東日本大震災復興に向けてのチャリティー舞踊公演「祈り」の会見を開いた。本公演は、菊之助自身の発案によって実現するもの。
震災当日の3月11日は、東京・新橋演舞場の楽屋で出番を待っていたという菊之助は、「大変衝撃を受けた。劇場がこんなに揺れるのか、終わってしまうんじゃないかと思った」と振り返り、「地震、津波、原子力発電所などの報道を目にすると、被災した方たちのことを思わずにはいられない」と話した。「地震直後は、消極的になっていた。でも表現者として固まらず、動くことで明かりをともすことができないかという思いに変わってきた」と、発案の動機を語った。
また、菊之助は「震災によって、家族の絆というものを改めて考えさせられた」と語り、自身の新しい家族の話になると、「(結婚は)前向きには考えているのですが…」と、歯切れはあまりよくなかった。
公演は7月12日、東京・浅草公会堂で行われる。入場料収入は日本赤十字社の東日本大震災義援金に全額寄付される。