<ライブレポート>ももクロ玉井詩織がビルボードライブ初登場、特別なバンドアレンジで作り出した非日常空間「デビューして16年、まだまだ新しいことができる」

2024年11月28日 / 22:30

 ももいろクローバーZの玉井詩織が11月26日、神奈川・ビルボードライブ横浜にてソロライブを行った。

 昨年1月よりソロプロジェクト『SHIORI TAMAI 12 Colors』を始動。12か月連続でシングルをリリースし、その集大成となるアルバム『colorS』を今年6月に発表した玉井。TeddyLoidやmiwa、志磨遼平(ドレスコーズ)に亀田誠治、さらにTAKURO (GLAY)などさまざまなジャンルのアーティストが楽曲を提供した本作は、タイトル通り色彩豊かなサウンドスケープを展開していた。今回はそんな『colorS』からの楽曲を中心に、ももクロのレパートリーも散りばめたセットリストでファンを魅了した。

 定刻となり、柏倉隆史(Dr.)、木下哲(Gt.)、原口梓(Vc.)、おかのやともか(Chor.)、そしてバンマスの宗本康兵(Pf.)がステージに登場。アンビエントなインプロビゼーションを奏でるなか、青いワンピースにチャコールグレーのジャケットをまとった玉井が姿を現すと、フロアからは温かい拍手が鳴り響く。

 まずはアルバム『colorS』収録の「Another World」からこの日のライブはスタートした。ステージ中央のハイチェアに座り、グルーヴィーなリズムに乗ってラップのようなフロウを織り交ぜながら、透明感あふれる歌声を響かせる。続く「暁」は、どこかオリエンタルな響きを湛えた速いパッセージのピアノに導かれ、目まぐるしく転調を繰り返すドラマティックなナンバー。地声とファルセットを巧みに使い分けながら、入り組んだメロディを玉井が表現豊かに歌い上げ、そこに木下のエフェクティブなギターがカウンターメロディのように絡みつく。〈探し続ける この夜の先で待ってる次の可能性〉〈運命は未明 信じてるわたしが目覚める暁〉と、未来への希望を託した歌詞の世界を情感たっぷりに表現し、バンドによる力強いアンサンブルとともにエンディングを迎えると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。

 「あらためまして、みなさんこんばんは。【玉井詩織 Billboard Live Tour 2024】にようこそ!」と挨拶。「まさか私がビルボードライブのステージに立たせていただくことになるなんて思いもしなかったし、みなさんもまさかももクロをここで見るとは思わなかったですよね? でも、デビューして16年、これだけやっていてもまだまだ新しいことができるんだなとひしひしと実感しています」と、この日に向けての想いをファンと共に噛み締めた。

 「なかなかこの距離でバンドの演奏を聴ける機会もないと思うので、ぜひ耳やお腹、喉といろんな感覚を使って、この空間を一緒に楽しんでいきましょう。せっかくお食事を楽しめる場所ということで、ももクロにはそれにぴったりの曲があるんですよ」と玉井。「『食べる』ということは『生きる』ということ。この曲を聴きながらお食事をしたり一緒に手拍子をしたり、それぞれの楽しみ方をしてください!」

 宗本がシンコペーションの効いたピアノのコードリフを叩き出すと、フロアからはリズミカルなハンドクラップが沸き起こる。ももクロが2017年にリリースしたシングル『BLAST!』の収録曲「Yum-Yum!」だ。ハイチェアから腰を上げた玉井がステージを練り歩きながら、客席の一人ひとりに語りかけるように歌う、その満面の笑みにこちらの頬も思わず緩む。〈EAT! EAT! EAT!〉や〈MOVE! MOVE! MOVE!〉〈LIVE! LIVE! LIVE!〉という掛け合いコーラスをシンガロングし、早くも一体感に包まれた。

 おかのやと玉井の息の合ったオクターブユニゾンが心地よい「Spicy Girl」を回るミラーボールの光の中で歌い、TAKUROが作詞作曲を手がけた、どこかバロック音楽を彷彿とさせるチェンバーポップ「We Stand Alone」へと繋ぐ。劇場版「美少女戦士セーラームーン Eternal」の主題歌となったももクロの「月色Chainon」を披露。エモーショナルかつ哀愁漂うメロディを歌った後は、ゴスペルやソウルのエッセンスをふんだんに盛り込んだももクロの「L.O.V.E」へ。再びアコギを持って、疾走感あふれるロックチューン「HAPPY-END」をバンドメンバーと共に演奏すると、フロアからは一際大きな歓声が沸き起こった。

 「この距離感、1部ではめっちゃ緊張したんだけど、2部はちょっと慣れてきたかも。よく聞かれるんですよ、『ライブであんなに大勢のお客さんの前に立ってて緊張しないの?』って。でもこの距離のほうが緊張する!」と打ち明けると、客席から笑いが起きる。「私は歌も得意じゃないし、ピアノこそ習っていたけど、音楽とはわりと無縁の生活を送ってきたのに、この職業に就いて歌わせていただくことになるなんて思わなかったですし、ましてやビルボードライブのステージに立たせてもらえるなんて予想もしていなかったけど、今日は私の人生に素敵な1ページが刻まれました。この思い出は大切に心にしまっておこうと思います」と静かに胸の内を明かすと、オーディエンスは温かい拍手でそれに応えた。

 さらに、2011年にももクロがリリースした1stアルバム『バトル アンド ロマンス』の特典CDの収録曲で、玉井にとって初めてのソロ曲となった「…愛ですか?」を、アコギを弾きながら披露。そこから原口のチェロ、おかのやのコーラスと玉井のボーカル&ピアノ演奏のトリオ編成で、ももクロの「空のカーテン」を演奏し本編を終了した。鳴り止まぬアンコールに応え、ふたたびバンドメンバーと一緒に登場した玉井。「みなさんの日常が、より一層輝きますように」と告げた後、『colorS』から「日常」を歌ってこの日のライブを締め括った。

 今回のライブは、ベースレスで低音楽器をチェロが担うユニークなアンサンブルによって、今年3月に東京国際フォーラム、6月に大阪フェスティバルホールで行われたソロ公演【いろいろ】とはまた一味違ったサウンドスケープを展開、玉井の持つピュアでまっすぐな歌声をより鮮やかに引き立てていたのが印象的だった。新たなアプローチに果敢に挑み、「自分だけの表現」を確立しつつあるソロアーティスト玉井詩織の、今後のさらなる飛躍が楽しみだ。

Text:黒田隆憲
Photo:笹森健一

◎セットリスト
【玉井詩織 Billboard Live Tour 2024】
2024年11月26日(火)神奈川・ビルボードライブ横浜
1. Another World
2. 暁
3. Yum-Yum!
4. Spicy Girl
5. We Stand Alone
6. Sepia
7. 月色Chainon
8. L.O.V.E
9. HAPPY-END
10. …愛ですか?
11. 空のカーテン
En. 日常


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