<わたしたちと音楽 Vol. 60>金原ひとみが語る、時代の変化の中で言葉を発信すること

2025年7月12日 / 12:00

 【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】(WIM)の日本版実施に伴い展開されている、独自の観点から“音楽業界における女性”にフォーカスしたインタビュー連載『わたしたちと音楽』。Vol.60となる今回は、作家の金原ひとみが登場した。

 2004年にデビュー作『蛇にピアス』で芥川賞を受賞した彼女。“女性作家”という枕言葉がつくことや、作品の内容と関係ないところに言及されることもあったというデビュー当時について、「私自身が若くてそこまで問題意識を持っていなかったので、“そう騒ぐ人たちがいるんだな”という感じだったが、後々“今思えばあれは差別的だったな”と思うようなこともあった。でも女性作家のイメージというものがこれからどんどん覆っていくだろうなという気もしていたので、自分もそこに一役買えたのなら良かったなと思っている」と語った。

 今年4月には、出版業界を舞台に性暴力の加害者と被害者を描いた長編小説『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』を発表。本作を執筆したきっかけについては、「ここで声を上げてしまうと、何か間違ったことを言ってしまうのではないかという不安があったが、この変化はもう止まらないだろうとどこかで確信した。そして、“現段階での自分の答えを書かなきゃいけない時期がきたな”と思い至った」と見解を示した。

 さらに、時代の変化の中で言葉を発信することについて、「自分で証言を残し続けるのは、すべてがログで残ってしまう時代において、すごく怖いこと。でも、“人は変わっていく”という前提を受け入れて発言していくしかないと思っている。ある程度の無責任さを許容しながらじゃないと、もはや発言するということはできないのでは」と語った。

 インタビュー全文は特集ページより確認できる。ビルボード・ジャパンのApple MusicとSpotify、YouTubeでは、このインタビューがポッドキャストとして配信中だ。また、【ビルボード・ジャパン・ウィメン・イン・ミュージック】の特設サイトでは、これまでのインタビューやプレイリストなどをまとめて見ることができる。

 2007年からアメリカで開催されている【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】は、音楽業界に貢献した女性を表彰するアワードで、2023年版は3月に実施された。日本では、インタビューやライブ、トークイベントといった複数のコンテンツから成るプロジェクトとして2022年秋にローンチした。

Photo:Yukitaka Amemiya


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