「トレたま」4000回、その秘訣は? 過去には大江キャスターの皿回しも

2015年4月27日 / 13:40

 大江麻理子さんがメーンキャスターに就任して1年がたった「ワールドビジネスサテライト(WBS)」。テレビ東京の看板経済ニュースであるこの番組で、人気コーナー「トレンドたまご」(以下「トレたま」)が、4月下旬に放送4000回を迎える。「トレたま」はその名の通り、新製品や新サービスなどを「たまご」の状態である開発段階から紹介するもの。担当デスクの浅岡基靖さんに、このコーナーに懸ける思いを聞いた。

 

 メーンキャスターの大江麻理子さん(中央)を中心とした「ワールドビジネスサテライト(WBS)」のキャスター

メーンキャスターの大江麻理子さん(中央)を中心とした「ワールドビジネスサテライト(WBS)」のキャスター

―紹介する商品はどんな観点から選んでいますか。

 大きなコンセプトは「挑戦」と「夢」です。その企業が、その人が、なぜこの商品を思い付いたのかを掘り下げていきます。単に新しい商品を紹介するコーナーではありません。発想の仕方や思い付きが、見てくれた方の仕事や研究のヒントになればと考えています。「トレたま」で紹介してほしいと、売り込みもたくさんありますが、残念ながら9割以上が不採用です。視聴者の関心が高そうなものでも、他の番組で取り上げられたことがあるものは、このコーナーでは基本的に紹介しません。とはいえ、原則として当日取材、当日編集、当日放送ですし、多忙なため、ネタ集めにも苦労しています。企業の皆さんの協力がなければ成立しないコーナーです。

―どういう商品が採用されるのですか。

 商品コンセプトの目新しさと、画(え)になるかが重要です。デスクの私が最も重視しているのは、どうタイトルを付けるか。新聞のテレビ欄やテレビ画面に入る字幕タイトルは、視聴者に分かりやすいキーワードを意識して作ります。商品のコンセプトが限られた文字数で表現できるものだと、取り上げやすいです。

―今まで取り上げた中で、特に思い出に残っているものは?

 中身が空気に触れない仕組みになっていて鮮度を保てる容器を使ったしょうゆが、今メーカーから販売されていますが、その原型を「トレたま」で取り上げていたんです。ある男性が手紙付きでビニールのパックを送ってくださって「中の液体が空気に触れないから酸化しない」と書いてありました。しばらくどのディレクターも取り上げなかったんですが、ふと僕がその手紙を読んで、これは面白いんじゃないかと。その方に問い合わせたら、ちょうどメーカーに持っていくところだという話でした。その後実際に採用になって、今やどこのスーパーにも並んでいますね。印象に残っています。

―4000回を迎えますが、長続きする秘訣(ひけつ)は何だと思いますか。

 取り上げるものは、商品化していなくていいのです。ひながかえるかもしれないし、鳥になって世界に羽ばたくかもしれない。そんな「たまご」の段階のものを探しています。それだけに、取材に行っても商品がうまく動かないとか、失敗も多かった。でも、今までにないものをチャレンジして作ったとか、失敗を繰り返して改良してきたとか、そういう部分を伝えたい。失敗があってもフォローしますし、愛を持ってコーナーを作っています。面白く作らないと、伝わりません。それが支持をいただいている理由かなと思います。見ている人が一緒になって画面に突っ込んでくれていたら、うれしいです。

―現メーンキャスターの大江さんも、かつて「トレたま」キャスターを務めましたね。

 彼女が紹介した中では、「皿回し」ができるようになる練習キットを紹介した回が面白かったですね。本人も気に入っていたようです。一生懸命挑戦していて、最終的にはいろいろなポーズで皿回しができるようになっていました。

―番組がリニューアルしてから1年がたちましたが、今後の抱負をお願いします。

  番組のテーマは「自分につながる経済ニュース」ということで、消費者の方々に近い感覚で作っています。これからも大江をはじめ、各キャスターの等身大の目線を生かして、チームで番組を作っていきたいです。

 

ワールドビジネスサテライト(WBS)
テレビ東京系 月~金曜 午後11時~午後11時58分


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

田中真弓「70歳、新人のつもりで頑張っています」憧れだった朝ドラレギュラー出演 連続テレビ小説「虎に翼」【インタビュー】

ドラマ2024年7月26日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「虎に翼」。新潟地家裁三条支部に赴任し、娘・優未(竹澤咲子)と2人だけの暮らしに苦労する主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)を助けるため、かつて花江(森田望智)の家で女中として働き、第7週で故郷の新潟に帰った稲が … 続きを読む

真彩希帆、憧れの「モーツァルト!」でコンスタンツェ役 「この作品を見に来て良かったと感じていただきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2024年7月26日

 「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」という深遠なテーマをベースに、その高い音楽性と重層的な作劇で“人間モーツァルト”の35年の生涯に迫る、ミュージカル「モーツァルト!」が、8月19日から帝国劇場にて上演される。2002年の日本初演以来 … 続きを読む

【週末映画コラム】歴史の「if」を描いた2本『もしも徳川家康が総理大臣になったら』/『お隣さんはヒトラー?』

映画2024年7月26日

『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(7月26日公開)  新型コロナウィルスがまん延した2020年。首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣が急死した。かつてない危機に直面した政府は、最後の手段として、歴史上の偉人たちをAIホログラムで復活 … 続きを読む

鈴木梨央「特撮映画の魅力を実感しました」子役時代から活躍してきた若手俳優が、ファンタジー映画に主演『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』【インタビュー】

映画2024年7月25日

 高校生の時宮朱莉は、謎の男・穂積(斎藤工)と出会い、特殊美術造形家だった亡き祖父・時宮健三(佐野史郎)が制作を望んだ映画『神の筆』の世界に入り込んでしまう。怪獣ヤマタノオロチによって、その世界が危機にひんしていることを知った朱莉は、同級生 … 続きを読む

児玉すみれ、『怪盗グルーのミニオン超変身』で声優初挑戦「アグネスになりきれるのが楽しかった」【インタビュー】

映画2024年7月24日

 怪盗グルーとその相棒ミニオンたちが活躍する「怪盗グルー」シリーズの最新作『怪盗グルーのミニオン超変身』が7月19日から全国公開された。本作は、グルーとその家族に息子が生まれ、新たな町で身分を隠しながら奮闘する姿を描く。日本語吹替版で主人公 … 続きを読む

Willfriends

page top