「体を揺らしながら一緒に歌ってください」 「山賊の娘ローニャ」のオープニングテーマ「春のさけび」を歌う手嶌葵

2014年10月17日 / 15:39

 映画『ゲド戦記』や『コクリコ坂から』で知られる宮崎吾朗監督が初めて手掛けたテレビアニメーション作品で、11日からNHK・BSプレミアムで放送がスタートした「山賊の娘ローニャ」(毎週土曜午後7時から)。オープニングテーマの「春のさけび」を歌手の手嶌葵が歌う。

 吾朗監督作詞、谷山浩子作曲と、『ゲド戦記』の主題歌「テルーの唄」と同じコンビでの新曲は、心が弾むテンポで、主人公ローニャの快活さにぴったりとマッチする。親しみやすい「春のさけび」の魅力を手嶌に聞いた。

 

「監督の吾朗さんは、声がかわいいねって言ってくださいました」と話す手嶌葵 ヘアメイク:吉田友美(ant.)

-心が弾む歌ですね。どのように歌おうと思いましたか?

 よくよく聴いてみると子どもたちがわーっと遊んで走り回っているようなシーンが想像できました。ハチの「ぶんぶん」とか、かわいい語感の言葉も歌詞にあるので、なるべく口角を上げてかわいく、体を揺らしながら聴いてもらえるように歌おうと思いました。

-歌いこなせるまでに時間がかかりましたか?

 初めて挑戦するアップテンポの歌だったので、うまくいかないときもありました。でも、小さい子どもたちが一緒に歌ってくれるとうれしいなと思うと、ちょっとずつ優しく、楽しく歌えるようになりました。

-ご自身のイメージを変えたいと思っていたのですか?

 いえ、そんなことはありません。ですが、どうしても声のイメージで「バラードが得意だ」と思われていることは確かです。今回はこういう楽しい歌も歌えるということを示せたので、こういう歌も少しずつ出していけたらいいですね。ライブを見に来てくださると、実際の私がどんな感じなのか分かっていただけると思うんですが(笑)。

-アニメに自分の歌や声が乗る感覚はどんなものですか?

 『ゲド戦記』のときは恥ずかしくて直視できませんでしたけど、今は歌が全体とどう融け合っているのかとか考えながらちゃんと見られます。やっぱりうれしいものですね。

-『ゲド戦記』『コクリコ坂から』に続き3作目。吾朗監督とのご縁が続いていますね。

 とてもうれしいですね。監督からは毎回あまり歌い方の指示はないんですけど、続けて主題歌を任せていただいたので、信頼してくださっているのかなと思います。

-「山賊の娘ローニャ」を見て、どんなことを感じましたか?

 ちょっと勇気を持って前に出てみると楽しいこともあるし、怖いこともあると。いろんな体験の中でローニャちゃんが少しずつ大人になっていく。そういうかわいいだけじゃない、いろんな考え方ができるアニメです。毎回オープニングで楽しく体を揺らして歌ってもらって、それから作品を見てもらうというのがいいですね。「子どもたち頑張れ、しっかり見るんだよ」って声を掛けてあげたいです。

-歌ってくれている子どもたちを想像すると、どんな気持ちになりますか?

 うれしいなって。これまでのジブリアニメも小さい子からおじいさんおばあさんまで見てくださっていますが、「テルーの唄」は歌うのが難しかったですから。この歌は歌いやすいと思います。歌うと歌詞の意味がよく分かるので、一緒に口ずさんでくださると、より楽しくアニメが見られると思います。

-普段からライブという場所を非常に大切にされていますが、皆さんに近いところで自分を表現したいという気持ちが強いのですか?

 私も、好きなアーティストはライブで聴きたいですし、その場の空気で感じ取れる音って多分違うんです。私は人の二倍も三倍も息を吸って歌う方なので(笑)、それは多分生の方がよく感じ取ってもらえると思います。一生懸命、1曲ずつ伝えたいという思いがあるので、生で聴いて、そして見てくださるとうれしいです。

●放送情報
テレビアニメ「山賊の娘ローニャ」
NHK・BSプレミアム(毎週土曜午後7時)で放送中

ブルーレイ&DVD「山賊の娘ローニャ」2015年1月30日から全9巻順次発売

「オープニング/エンディングCD」
11月19日発売 1296円(税込) 発売元:ポニーキャニオン
「サウンドトラックCD」
12月17日発売 2700円(税込) 発売元:ポニーキャニオン

手嶌葵オフィシャルサイト
http://aoiteshima.com/


特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(3)無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力

舞台・ミュージカル2025年9月12日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む

北村匠海 連続テレビ小説「あんぱん」は「とても大きな財産になりました」【インタビュー】

ドラマ2025年9月12日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルにした柳井のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)夫婦の戦前から戦後に至る波乱万丈の物語は、ついに『アンパンマン』の誕生にたどり着いた。 … 続きを読む

中山優馬「僕にとっての“希望”」 舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~の再始動で見せるきらめき【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年9月11日

 中山優馬が主演する舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~が10月10日に再始動する。本作は、天藤真の小説「大誘拐」を原作とした舞台で、2024年に舞台化。82歳の小柄な老婆が国家権力とマスコミを手玉に取り、百億円を略取した大事件を描く。今 … 続きを読む

広瀬すず「この女性たちの化学反応は一体何なんだという、すごく不思議な感覚になります」『遠い山なみの光』【インタビュー】

映画2025年9月9日

 ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロが自身の出生地・長崎を舞台に執筆した長編小説デビュー作を、石川慶監督が映画化したヒューマンミステリー『遠い山なみの光』が9月5日から全国公開された。1950年代の長崎に暮らす主人公の悦子をはじめ、悦子 … 続きを読む

Willfriends

page top