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23日に開幕した「ウィンブルドンテニス」。WOWOWは今年もスペシャルナビゲーターに石黒賢を起用し、現地からの最新情報と熱戦の模様を届ける。昨年度は、アンディ・マレーが77年ぶりの地元優勝を飾ったが、ラファエル・ナダルが一回戦で敗退、ロジャー・フェデラーも二回戦で敗退するなど波乱の大会だった。石黒が今年の大会の展望を熱く語った。
今のテニス界は、フェデラー、ナダル、そしてノバク・ジョコビッチという、何十年に一人という逸材が3人もいる時代。それに対して日本人トッププレーヤーの錦織圭やマレーらが、3人の牙城を脅かしている状況です。ウィンブルドンでそういう選手を見られることは、テニスファンにすればとても幸せなことです。ウィンブルドンは、グランドスラムの中でも特別な大会です。それはどのプレーヤーにとっても同じだと思います。
まず、ウィンブルドンは芝生のコートに特徴があって、最初はきれいな芝が日を追うごとに変化していく。つまりはげて変わっていくんです。刻一刻とサーフェスが変わる大会はウィンブルドンだけですよね。また、雨も多く、芝はぬれるとプレーが続行できなくなり、中断を余儀なくされるのですが、そうなると中断後に試合後の流れが変わることもあります。その中断のタイミングが絶妙なこともあって、テニスの神様の存在を感じることもあります。加えて、地面が芝生のためネットを強く張れないので、それによってショットの打ち方など、戦い方も変わってきます。これは僕個人の見解ですが、芝生では経験値がモノを言うと思います。さらに会場の雰囲気。ウォーミングアップ中は客席もざわついているのですが、選手たちがポジションにつくと、1万5千人が埋め尽くすセンターコートが途端に静かになって、ボールの音と拍手しか聞こえないんです。あの静けさと緊張感は、ウィンブルドンならではの雰囲気だなと感じました。
トップ10に日本人が入るなんて以前は考えられませんでしたが、とてもうれしいことですね。今大会でも、ファーストウィークをなるべく接戦に持ち込まずにしのげれば、錦織選手の優勝も十分に可能性があると思います。フィジカルや技術面において、大会ごとに彼の成長を感じています。錦織選手のフォアは攻撃的で素晴らしいと誰もが口にしますが、加えてバックハンドの上達ぶりにも驚いています。とてもセンスのあるバックハンドを打つんですよ。とっさの判断力が非常に高く、打つ瞬間にきゅっと手首だけを返してクロスに落としたり、ストレートに打ったりできるんです。脳が命令を出してから、体がそれに応える回路のスピードも以前と比べて増しています。
ウィンブルドンでは、ウィリアムズ姉妹、特にセリーナが圧倒的に強く、どう見ても他の選手には勝ち目がなかった。しかし近年では、ユージェニー・ブシャールやシモナ・ハレプといった若手選手たちから、『セリーナに勝って名を上げてやる』というような気迫を感じます。今まではセリーナやマリア・シャラポワのような長身の選手の活躍が目立っていましたが、ハレプらそこまで背の高くない選手も活躍しています。テニスは適切な位置にいかに足を運ぶかが一番大事なのですが、彼女たちはステップが非常に優れています。そういった戦い方を取り入れれば、日本人選手が世界のトップに勝てる日も来ると思います。最近の日本女子選手たちは、クルム伊達公子選手をはじめ奈良くるみ選手も昨年あたりから調子を上げてきているので、今年のウィンブルドンも非常に期待しています。
錦織圭という、何十年に一人の才能を持った選手が、我々日本人の代表として出場します。彼のテニスは、難しいことを抜きにしても何をやってくるのか分からない戦いをしてくるので、見ていて本当に楽しいと思います。最高の晴れ舞台であるウィンブルドンで、世界と渡り合える錦織がいる。きっと、最高の大会にしてくれると僕は期待しています。
番組については、WOWOW TENNIS ONLINEへ
http://www.wowow.co.jp/tennis/
◆◆◆WOWOW番組情報◆◆◆
★ウィンブルドンテニス
歴史と伝統のウィンブルドン。“日本のエース”錦織圭の戦いなど、現地の感動と興奮を連日生中継でお伝えする。
6月23日(月)~7月6日(日)連日生中継(6月29日(日)除く)【WOWOWプライム】【WOWOWライブ】
★トップアスリートの真実 アンディ・マレー ウィンブルドンが泣いた日
2013年に悲願のウィンブルドン優勝を果たしたイギリス人テニスプレーヤー、アンディ・マレー。密着取材やインタビューで、その才能や素顔に迫るドキュメンタリー。
7月9日(水)午後8時~ 【WOWOWライブ】
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