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今までに見たことのない塩野さんを見たいという思いでキャスティングしました。最初は、塩野さんもわれわれも、将生をどういうふうに描いていこうか、結構悩みながら作っていった感じでした。塩野さん自身も「これまであまり演じてこなかったタイプの役なので、どうアプローチしていけばいいのか」と悩まれていたのですが、「とにかく新しい一面が見たいです」とお伝えして。前半ではあえて見えにくかった将生の根にある愛らしさや憎めなさを、物語が進むにつれて少しずつにじませながら、丁寧にキャラクターを作ってくださいました。役作りとしてひげを伸ばしていただくなど、見た目からも泥くささや男性らしさを加えることで、将生という人物により立体感を与えてくださったと感じています。
小瀧さんは、一つ前のドラマ(※2025年放送の「小さい頃は、神様がいて」)でもすごく好青年の役を演じられていて。ちょうど小瀧さんがクランクインする直前までその作品を撮られていたので、すごくいい人の役が2作続いた結果、現場に来られた時点ですでに役が出来上がっている感じがしました(笑)。ご本人は「恋愛要素のあるシーンは恥ずかしくて得意じゃない」とおっしゃっていたんですが、3話ではカメラ目線で語りかける“ザ・火曜ドラマ”という感じのドキッとするシーンもあって。ご本人は照れながらもしっかり決めてくださって、すてきなシーンになりました。
兵頭さんは、とても勤勉な方で、真の台本での気持ちの流れなどをノートに書いて整理していらっしゃって、「ここはこういう気持ちだと思うんですけど、どう思いますか」というふうに、私や監督に投げかけてきます。常に感謝をしながらお芝居をしてくださるので、この役に込めている思いが伝わってきて、われわれとしても、意見を交わしながらキャラクターを作っていけたので、一緒にお仕事をしていて楽しいと感じました。
真は、結構ミステリアスだし、言葉数も多くないので、たたずまいや表情で感情を表現しなければならないのは大変だったと思います。兵頭さんご自身は、そういうタイプではなく、朗らかで、よくおしゃべりをする方なので、自分にはない部分を見せなければならない難しさはあったと思いますが、繊細なお芝居でその内面をしっかりと表現していただき、キャラクターの魅力を深めてくださったと感じています。
今回颯太役を決めるに当たって、自然体で愛くるしい子どもらしさを持っている子と出会いたいというのがありました。なので、そのあたりを重視して優くんを選びました。彼は、そういう子どもらしさはありつつも、ちゃんと大人のことは見ているし、聞いているのがすごいと思います。結構泣きの芝居や、感情的になるシーンも多かったのですが、そういうお芝居はちゃんとできるし、ここは自由にやっていいよという時は本当に自由にできるし…。その切り替えのすごさはオーディションでも感じました。とても5歳児とは思えないなと。
この番組が、連続ドラマのレギュラー出演は初めてで、こんなに長いせりふも初めてでしたが、経験がないとは思えないほど素晴らしくて、よく頑張ってくれたと思います。何もしていない時の顔が本当にかわいいんです。自然に見せる表情が魅力的だと思います。オーディションの時は、「かきくけこ」が「たちつてと」になってしまうのがかわいいと思いましたが、最近はしっかりと「かきくけこ」が言えるようになって。子どもの1年の成長ってすごいんだということを目の当たりにして、ちょっと寂しく思ったりもします。
最終話前ということで、衝撃的な展開で幕を下ろした9話に皆さん驚かれたと思いますが、最終話も見どころ満載です。ようやく未来と颯太の間で明かされる真実がありますので、その辺りを期待して見ていただけたらと思いますし、最後まで皆さんの心に温かい話をお届けできると思っておりますので、楽しみに見ていただけたらと思います。
(取材・文/田中雄二)

(C)TBSスパークル/TBS
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