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3月8日の大阪公演から幕を開ける「音楽劇 ポルノスター」にSUPER EIGHTの安田章大と古田新太が出演する。近年、歌舞伎や劇団四季なども手掛ける青木豪が作・演出を務める。青木、安田、古田の3人が揃うのは、ブラックで危ない笑いが満載の痛快青春暴走音楽劇として好評を博した「マニアック」(2019年)以来となる。本作は、ブラックな笑いを散りばめた“不条理犯罪ファンタジー音楽劇”。私立探偵の森田林深志を演じる安田と、怪しげな美容外科医の鶏野村誠也を演じる古田に出演への思いや本作の見どころなどについて聞いた。

古田新太【ヘアメーク:藤田真央】(左)と安田章大【ヘアメーク:山崎陽子/スタイリスト:袴田能生(juice) 】 (C)エンタメOVO
古田 ヤス(※安田の愛称)はどう思っているか分からないですが、「マニアック」を上演して、オイラと(青木)豪ちゃんはすごく楽しかったです。そこから、またこのような座組でやりたいというような話をしていました。それに豪ちゃんは変態で(笑)、「マニアック」のときも、そこにヤスがノッてくれて。今回もヤスがノッてくれるのであれば、また変態のお芝居をやりたいと言っていたんです。「マニアック」のときには、SUPER EIGHTのファンの中学生や、お母さんと見に来ていた高校生の女子たちがみんな下を向いていて、よしよしと思っていました(笑)。それで、オイラが豪ちゃんに、SUPER EIGHTのファンのみんながまた下を向くようなお芝居をやらないかという話をして、豪ちゃんがノッてくれて実現しました。
安田 「マニアック」はすごく楽しかったです。あれほど爽快で、痛快な作品はないですし、演劇だからこそできる面白さがありました。おっしゃる通り、10代の女の子がお母さまと一緒に見に来て、下を向いて、帰り道の電車でどうしたらいいか分からない時間を過ごすということもありましたね(笑)。
古田 オイラは基本的に自分がプロデュースするなら、やってはいけないとされるお話をやるんです。うちの劇団☆新感線もそうですけど、ギリギリアウトというのが楽しくて。だからずっとインディーズをやっているんです。
安田 メジャー側の人間じゃないですか(笑)。
古田 今のテレビや映画だと扱いたがらないお話ですけど、オイラはライブの、インディーズの人間で、怒られるのを前提でやっていますから(笑)。
安田 映像じゃできないギリギリです。そのギリギリを走るのが演劇の面白さであり、昔から演劇というものはそうやって培われてきたものだと思っています。
古田 冒頭から頭がおかしいんです。ヤスとしずちゃん(山崎静代)の姉弟から始まって、そこにクレイジーな家族がやってきて、クレイジーな相談に乗るクレイジーな探偵がいて、そこに絡んでくるクレイジーなお店があって。クレイジーなものしか出てこない。すごく陰惨な事件が起きるんですが、見ているお客さんがその陰惨な事件に対して途中から麻痺して、みんながクレイジーになって分からなくなっていく。ファンタジーになることができれば楽しくなると思いますし、漫画的な話になればいいと思います。
安田 本当にファンタジーだから、それを面白おかしく場面転換していく中でエンジョイしてもらえたらいいなと考えています。それに、この物語の中で、みんながクレイジーというのを舞台で見られるのも楽しいと思います。実際、ほとんどの人に何かしらクレイジーな部分があるじゃないですか。それならば、これは余計に笑えると思います。表の世界でそれができないのであれば、「こっちの世界で笑おうぜ」という感じです。
古田 今、立ち稽古が始まっているのですが(取材日時点)、ヤスにはどんどんかっこよくなっていってもらいたい。すごくかっこつけて、「こいつばかじゃねえの?」という感じで。「何かっこつけてんの? クレイジーなくせに」となれば面白いと思います。
安田 深志を見たとき、お客さまは「なんだこれ?」となるのではないでしょうか(笑)。僕はそこに向かって進むべきだと思っています。
古田 そのシーンは早紀ちゃんと2人で考えていこうと思っています。実際に早紀ちゃんにその行為を稽古でしてもらいながら、「どう? どう? 早紀さん的にはどう?」と聞きながら稽古したいです(笑)。
古田 誠也は結構ギリギリアウトで、深志はマックスアウトです。
安田 どちらもすごくアウトじゃないですか(笑)。アウトな人しかほぼ出てないです。
古田 まだ稽古が始まったばかりですが、お客さんには爽快に帰っていただきたいです。そのアウトな部分を見て、ダウンな気持ちで帰るのではなくて、「くだらねえけど、おもしれえ!」と帰っていただきたいというのが根っこにあります。
安田 理想ですよね。そうなってほしいです。
安田 豪さんが作・演出をされた「あのよこのよ」に出演させていただいたときは、僕の死生観を反映して書いてくださいました。いつでもどこでもつながっていて、行き来することもできるというのは、僕の病気後のことも踏まえてくださっています。それに唐(十郎)さんのことを好きということも足し算して書いてくれて、僕のことを投影しながら書いてくれている感覚がありました。今回は当て書きというより、深志というキャラクターを掘れば掘るほど変態の豪さんが出てきます(笑)。
古田 海荷ちゃんはすごくやる気があって、めちゃくちゃ頑張りますと言っていますけど、「こんなの頑張んなくていいのに…」と思っています(笑)。どこまで頑張ってくれるのか楽しみです。
安田 こんな役をやることなんてなかなかないと思います。
古田 これから稽古でお父さんとお母さんと話すシーンが出てきて、ひどいことばかり言わなくてはいけない。それを海荷ちゃんがどれだけ出せるのかというのと、本格的に立ち稽古が進んで、飲み屋でどれだけひどいことを教えられるかという楽しみがあります(笑)。
安田 海荷ちゃんも立って動きながら話したら本読みの段階から変わると思うので、それがまず楽しみです。それから、早紀さんが、毒を吐かれる役どころを演じられるので、それもまた絶対に面白いと思います。
安田 座長なんて思ってもいないです(笑)。みんなで一つの面白いエンタメを作ろうという中に、存在させてもらえていると思っています。全員で引っかき回しているカンパニーだと思うので、1人であらがうというよりは、大事な駒にはならなければいけないとすごく感じています。
古田 SUPER EIGHTの安田くんのファンの皆さん、ぜひ親御さんと来てください。中高生の方もいらっしゃると思いますので、ぜひ見に来て、下を向いて帰ってください(笑)。だけど、一緒に見に来たお母さんが手をたたいて笑っていたら面白いよね(笑)。
安田 そうなったら最高ですね(笑)。この世界に慣れた方々がもしお越しいただけるのであれば、大いに手をたたいて笑ってください。
(取材・文・写真/櫻井宏充)
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