奈緒、感動巨篇「大地の子」の舞台化に挑む 30代を迎え「すごく楽しい」【インタビュー】

2026年1月7日 / 12:00

-ところで、本作では試練を乗り越える力が描かれていますが、奈緒さんが過去に「この経験で強くなれた」という出来事を教えてください。

 思い返してみると、逆境と出合ったときに自分は強くなれたのかなと思います。それから、最近は1人の時間が自分を強くしてくれたのかなとも感じています。本当に大切な人たちと毎日過ごしてお仕事をさせてもらっているので、みんなのおかげで強くなれているというところが自分の中にずっとあったんですが、思い返してみると、その前に、上京して1人でいた時間があって。あの1人の時間が自分のことを支えてくれているのかもしれないなと感じることができました。それもまた、一緒に仕事をするみんなのおかげです。

-俳優として、演じる上で大切にされていることやこだわりは?

 物語を演じること自体が一つの虚像のようなものなので、だからこそ、うそじゃない瞬間を見逃したくないと強く感じています。(本作で演出を務める)栗山(民也)さんと以前、ご一緒させていただいたときに「固めてしまうことは恐ろしいことだな」と役者として思いました。毎日新しい気付きを得られるように、絶対に自分で固めないということを大切にしています。

-奈緒さんは今30歳という節目の年だと思いますが、ご自身の中で気持ちの変化はありましたか。

 たくさんありました。きっと20代には20代なりの楽しさがあったと思いますが、今、すごく楽しいんです(笑)。自分の中にそれなりの余白がないと楽しいという気持ちは味わえないのかなと感じています。20代は30代を楽しみにして、駆け抜けたような年代だったので、余計に楽しいです。

-それは力が抜けたということですか。

 そうですね。そろそろ自分の良しあしは自分で決められるようにならないといけないと、覚悟を持って感じられるようになったのだと思います。今は日々、自分から見た自分と向き合っているところなんですよ。私は私のことをどう思っているんだろう。どういうところを変えたいと思っているのかな。どういうところが好きなんだろう。そうしたことをこの1年で考えて、改めて自分のことを深く知れたように思います。

-この1年で特に印象に残っている出来事は?

 どのお仕事も思い出深いものですが、舞台でいうならば、「WAR BRIDE‐アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン」という作品です。今、1年に作品は舞台に出演させていただいているのですが、(「WAR BRIDE」は)「30代初めての舞台だ。節目だ」と思いながら立った舞台でした。愛というものに向き合う舞台だったので、今一度、愛するってどういうことなんだろうと考えるきっかけになりましたし、惜しみなく愛について語り合うのはとてもいい時間だなと思いました。人生の中で愛について語れる時間はとても大事だと思わせてもらえる舞台でした。

-舞台にコンスタントにご出演されているのは強い思いがあってのことですか。

 私の初舞台は「終わりのない」という作品だったのですが、その経験はすごく大きくて、そのときから「舞台の上に立ちたい」という思いがありました。やっぱり舞台には、人生の中で必要な緊張感があるのだと思います。緊張感や不安、作り上げる苦しみがあるからこそ、日常に戻ったときに幸せが際立って、大事にしたい、守りたいと思えます。知りたいという気持ちや乗り越えたいという気持ちなど、普段の生活の中ではなかなか感じることのできない気持ちも舞台では味わうことができる。なので、もっともっと舞台に立ちたいと思っています。

-最後に、30代の目標を教えてください。

 やりたいことがたくさんあるんですよ。まだあまり人にお伝えしていないようにしていますが、たくさん計画していることがあります。まず、1番の目標は「時間配分を考える」こと(笑)。20代はあれもやりたい、これもやりたいとやりたいことが多すぎたので、少し落ち着いて、20代で得た知見でどうにか、どういう配分でやったらかなえられるかを考えてスタートしたいと思います。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 舞台「大地の子」は、2026年2月26日(木)~3月17日(火)に都内・明治座で上演。

舞台「大地の子」

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「豊臣兄弟!」第26回「信長を笑わせろ!」 人間ドラマと華やかなエンターテインメントが一体になった大河ドラマならではのエピソード【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年7月10日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。7月5日放送の第26回「信長を笑わせろ!」では、小 … 続きを読む

花總まりがアガサ・クリスティに 失踪の謎を追うミュージカル「AGATHA(アガサ)」で「ミステリーの世界を体感していただけたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年7月9日

 イギリスを代表する推理小説家で“ミステリーの女王”と呼ばれたアガサ・クリスティが失踪した実話を元にしたミュージカル「AGATHA(アガサ)」が7月18日から上演される。本作は、アガサ・クリスティが失踪した11日間の謎を追う物語。現在(19 … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#セブチを見ていると分かる、韓国の年齢の不思議

2026年7月8日

▽タメ口は崩せる、でも「ヒョン」は残る  日本でも、兄弟や親しい先輩後輩のあいだでは、呼称は残したまま口調だけくだけることがある。「お兄ちゃん」と呼びながらタメ口で話すこともあれば、「先輩」と呼びながら冗談を言い合うこともある。  もう少し … 続きを読む

小栗旬「織田信長は、気づいたら“破壊神”になっていた」“本能寺の変”迫る!【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年7月5日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合 毎週日曜 20:00~ほか)。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄の秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中だ。7月12日放 … 続きを読む

唐沢寿明「原点回帰をした感じがしました」『トイ・ストーリー5』【インタビュー】

映画2026年7月3日

-唐沢さんがこのシリーズに感動するポイントはどこにありますか。  やっぱりおもちゃにも出会いと別れがあるという、人間の世界と同じようなストーリーを入れているところかな。愛されていたのに捨てられたとか、おもちゃの側に立つとそれは悲しいことだろ … 続きを読む

page top